事業承継で重要なのは現経営者による後継者教育
先日、ある経営者から後継者教育について興味深い話を聞きました。
その方は2代目経営者なのですが、後継者として教育を受けた中で一番役に立ったのは大学卒業後、ある会社に就職をして数年間務めた経験にあったとおっしゃるのです。
これは創業社長のお考えであったようで、一回は外に出て丁稚奉公をさせることが後継者教育の根幹になるとのお考えをお持ちの様でした。
このような話を聞くと、承継させる為にはそれなりの時間を費やすものであると同時に後継者を早く決めてその後継者候補にどのような教育をすることが最適なのか?小生も他人事ではなくつくづく考えさせられる話でした。
今日は、後継者教育に少し触れてみたいと思います。
事業承継で重要なのは現経営者による後継者教育
経営を承継させる局面において、現経営者が考える一番の課題に「後継者教育」があると言っても過言ではないでしょう。
そしてそれを実施する際には、社外教育と社内教育の組み合わせ必要となります。
例えば、社外教育であれば冒頭にもお話をした通り一回は外に出して他社での勤務を経験させることにより、自社にはない経営の考え方を体得させ、同時に新たな人脈(後の販売先、仕入先等)を形成することが可能になります。
また、営業・会計・銀行交渉と言った部分最適を満たすのであれば、外部機関が催しているセミナー等の参加も良いでしょう。
一方、社内教育においては営業部門や製造部門、経理部門などの主要部門のローテンションを行うことで社内業務プロセスを習得させ、同時に社内間の人間関係形成を図ることも可能になるでしょう。
その後は、幹部として経営に参画させ、対外的な交渉を任せるなどのプロセスを経て意思決定能力、責任感、使命感を体得させていけば良いと思います。
しかし、小生が一番重要であると考える教育は、やはり現経営者による教育であると考えています。
現経営者の
- 会社に対する思い、考え
- 現経営者が持つノウハウ
など今までの経営のシステムとでも言えばいいのでしょうか、これを後継者はしっかり継承しこれを可視化させ経営の羅針盤を創り上げた上で経営能力を高めていけば良いと思うのです。
そして、小生が一番重要であると考えていことは社長としての立ち振る舞いとしての教育です。
- 名刺の渡し方
- お辞儀の姿勢
- 贈答品の渡し方
- 社長としての話し方
- 社長としての挨拶文の書き方 等
販売先であれ、仕入先であれ、金融機関であれ、相手は多くの経営者を見ています。
それだけ比較対照が多く存在しているわけです。それが故に社長としての立ち振る舞いは会社の「品」として、是非とも教育して欲しいものです。
執筆:沖原 厚則
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