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銀行員が見る融資希望企業の損益計算書の2つポイント

銀行員が見る損益計算書の2つポイント

 

売上

銀行が融資を審査する時、融資希望企業の決算書を見ますが、その中で損益計算書も見ます。銀行員が見る損益計算書のポイント、一番重要なのは、売上と利益です。

 

売上については、銀行員は、売上が前期比、どうなっているのかを見ます。横ばい、増加であれば、銀行員はそう心配はしないのですが、売上が大きく減少していると、銀行員は、その企業がなぜ売上が減少したのか、要因を探さなければなりません。

 

何か特殊要因があれば、安心なのですが、そうでなければ、業界全体の需要衰退による売上減少なのか、競争力の激化による売上減少なのか、もしそうであれば新商品の開発、営業力の強化など、その企業は売上回復に向けて対策をとっているのかどうかをチェックします。また、特殊要因とは、工場の建替えのため一時的に売上が減少した、赤字部門から撤退したため売上が減少した、などです。そのような要因であれば、銀行員は安心します。

 

売上の増減は、銀行が融資を審査するにあたって、重要としている部分です。もしあなたの会社が売上減少しているようであれば、なぜ売上が減少してしまったのかを説明し、売上減少が需要減少・競争力激化などによるものであれば、あなたの会社がとる売上回復に向けての対策を、銀行にしっかり説明してください。対策をとっていないのであれば、今すぐ役員会等で対策を練ってください。

 

売上が減少したのは仕方がないです。それよりも、売上減少理由を銀行にしっかり説明、対策を説明することが、あなたの会社が融資を受けられるか、受けられないかに関わってきます。なぜなら、あなたの会社による説明が、そのまま銀行の融資稟議に書かれるのですから。説明によって銀行を納得させることができれば、融資を受けられる道が開いてきます。

 

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利益

事業活動の結果として生じる「利益」、銀行はどのように利益を評価するのでしょうか。利益を評価する基準は2つあります。一つは利益金額、もう一つは利益率です。

 

前期に比べて売上が増加していても、利益が横ばい、あるいは減少していれば、売り上げ増加分が全く利益に貢献していないことになり、意味がありません。逆に、前期に比べて売上が減少していても、利益が増加していれば、不採算部門を切った、余分なコストを削減したなどの理由が考えられ、企業にとって好ましく、銀行は良い評価をします。

 

また、銀行は利益率を分解し、売上に対する売上総利益率、営業利益率、経常利益率、当期利益率を算出し、それぞれ、前期に比べてどうであったか、利益率上昇、あるいは低下の原因はどこにあるか、を分析します。

 

また、これらの利益率の中でも、銀行が一番重要視するのは、経常利益率です。経常利益は、企業が通常の事業活動で得た利益です。当期利益は、突発的なものである特別利益、特別損失などに左右されるため、銀行は当期利益よりも経常利益の方で企業を評価します。

 

銀行の行う「格付」においても、売上の大小・増減は関係してきません。たいていの銀行は売上に対する経常利益率を、企業を格付する際の一つの指標としています。売上ももちろんですが、それよりも利益を、事業活動において重視するようにしましょう。

 

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