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周辺の銀行は何も変わってはいない…本当に銀行や金融行政は変わっていくのか?

メルマガやこちらのコラムでも、これからの金融行政、融資の仕組みについてお伝えしています。概して

 

  • メインバンク制への回帰
  • 新たな担保制度
  • 経常運転資金をプロパー単コロ融資にする融資形態
  • 事業性評価を採用した新たな企業評価

 

といったところですが今日の現場において、違いは肌で感じられる程になっているか?と考えてみると、残念ながらもう少し時間がかかるだろうか、と思わざるを得ないのも事実です。

 

現状から変わっていかない限り、企業にとっても銀行にとっても、先がないことは明らかなだけに2025年〜2026年に想定されている事業成長担保権の実施時迄には新たな方向へのシフトが始まってほしいと願っています。

 

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銀行の背景は「人不足」?

新たな動きに出ることができない金融機関の状況についてよく聞かれるのは「新たな制度に対して、リソースを割くことができない」ということです。もう少し踏み込んだ言い方をされる方は「事業性評価等の取組みを、実際にできる銀行員はいない、これから育てるとしても長い時間が必要」と仰います。

 

また、良くも悪くも金融機関は公共性の強い組織であるため「事業性評価のような主観的要素の大きいものを融資判断に入れてしまうと、株主(もしくは会員や出資者等)への説明が難しく、また客観的公平性に乏しい情実融資に繋がりかねない」との懸念も出てきます。

 

確かにそれは否定のできないものですが、だからこそメインバンクへの融資集中によって、融資先数は減らして1社あたりにかける手間暇を増やしていくこと事業性評価の仕組みを統一された言語とプロセスで構築していくこと等が必要になっていくのですが、総じて表現すれば融資、というビジネスモデルを総合的・根本的に変えることが求められ、枝葉の議論をしてもやりたくない理由が積み上がるだけなのでしょう。

 

必要なことは、変革への決断なのですが現状維持では右肩が下がっていくだけなのですからやはり時間の問題ではあります。

企業側はどうする

周辺の銀行は何も変わってはいない…本当に銀行や金融行政は変わっていくのか?

 

とはいえ、企業側だって待っていればそのうち救済されるわけではありません。

 

新たな金融の仕組みも、以前に比べて融資を得るため「だけの」ノウハウは減りますが事業収益を上げていくこと自体は必須であり、それを計画し、実施し、見直していくプロセスを開示していかなくては評価のされようがありません。

 

また、新たな制度が現実化してから動き出しても対応して、実績つくって、決算を用意して、、、としていれば数ヶ月〜数年の時間を要しますからできる限り早くから対応していかなくては間に合うものも間に合わなくなることは留意しなくてはいけないのです。

 

今確実に見えているものとしても来年の国会に事業成長担保権に関わる検討が始まります。

 

規模が小さいが成長性のある事業や再生の出口において新規融資を必要とする企業等へ、新たな選択肢となることは間違いなく今から事業成長担保権が実施された際に銀行にこの担保を差入するのかどうか、それによって期待される効果はどれ程なのかはイメージしておいてよいのではないでしょうか。

 

この20年、常に「想定外の不景気」が起こり続けており企業経営にはより大きな余裕をもつことが必要になっています。銀行とのつきあい方というのは営業に比べれば毎日考えるようなものではありませんが折に触れて、より未来を見据えた検討をしていただければ幸いです。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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