スピンアウトとスピンオフの違いについて教えていただけますか?
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事業展開におけるスピンアウトとスピンオフ
「Aのビジネスアイデアはスピンアウトで、Bのアイデアはスピンオフで、それぞれ違いのある事業展開をしてはどうか、と提案されたのですが、この両者の違いとは何ですか?」
私は以前、このような質問をお客様から受けたことがあります。
スピンアウトとスピンオフは、単語の意味からは違いが見えにくい用語ですが、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか?
スピンオフとスピンアウトはともに、社員の持つビジネスアイデアを独立した会社を設立して事業化させる、という事業展開の手法であることに違いはありません。
これまで、特に大企業においては社員の提案したビジネスアイデアが優秀であったとしても、主要事業や市場と違いがある場合は事業化されない場合がほとんどでした。
しかし、近年は市場環境の違いから、主要事業と違いのあるそれらのアイデアも事業展開として活用することが多くなったのです。
事業展開するにあたって独立化させることで、大企業と違い、意思決定プロセスの短縮化や独自の柔軟な対応ができるといった利点があります。
スピンアウトとスピンオフの違い
では、スピンアウトとスピンオフの違いは一体何なのでしょうか。
これは主に、独立元の企業との関係性の違いになります。
スピンオフにおいては、新会社は独立元の企業から出資などの支援を受けて独立し、独立後も子会社になるといった資本関係を持ち続けます。
これに対し、スピンアウトにおいては元の企業との資本関係は継続されず、完全な独立企業となる点が大きな違いです。
スピンアウト企業の場合、スピンオフ企業と違い親会社の影響を受けませんが、一方で元の企業のブランドといった資産を活用できないという違いがあるのです。