企業買収後の統合プロセスについて教えていただけますか?
- 会社買収
クロージングすれば企業買収は終了するわけではない
企業買収は準備や交渉手続など非常に大変なプロジェクトですが、皆さんは、無事に企業買収が完了し、クロージングできれば終わりだと思ってはいませんか?
実は、その後に行われる統合プロセスこそ、企業買収の成否を決める非常に重要なプロセスとなります。
例えば、かつて日本航空と日本エアシステムとがM&Aで経営統合を行ないましたが、この統合はその後、期待されるされる効果を得られず、むしろ業績がマイナスになりました。
この原因の一つに、企業買収後の統合プロセスがうまくいっていなかったことが挙げられるのです。
企業買収後の統合プロセス(PMI)とは
企業買収後の統合プロセスとは、企業買収により期待されているシナジー効果が効果的に発揮されるように行なわれる、組織統合のためのマネジメントなどを指します。
企業買収を計画する際には相手会社とのシナジー効果を期待しますが、しかし、実際には予定通りの成果を上げることができないことがあります。
これは企業買収後に行なわれた統合プロセスがうまくいかず、企業買収した相手と統合を行なう際に、現場で人事制度や社内システム、社風や意識の違いを埋めることができず、円滑な業務ができなくなったためです。
このような状況を防ぐために、
企業買収を進めている途中の段階で買収先の会社について綿密に調査し、キーとなる人物やシステム把握を行ない、どのようにすれば買収後に円滑な業務ができるかという統合プロセスを作ります。
このように作られた企業買収後の統合プロセスを活用して、2社の統合を促進するのです。
また、このような統合を阻害する要因は買収先の企業だけでなく、自社にも存在する可能性があります。それらのリスクも同様に調査をし、統合プロセスに対策を加える必要があります。