売り手側が不採算且つノンコア事業の売却に成功し、 買い手側が外注していた業務の内製化に成功した事例
- m&a事例
売い手の概要・状況とニーズ
売主は、広告代理店(主)、インターネットメディア事業事業(次世代の事業)、子育て系のフリーペーパーの発行を事業(ノンコア事業)の3事業を展開している法人(以下「A社」)であった。
もともとIPOを目指していたものの、外部環境並びに競争環境の変化から、好調な業績から一転、業績不振に陥っていた。
とくに、子育て系のフリーペーパー事業は、競合する媒体も多く、もっとも業績不振が大きい部門であった。
もっとも赤字が大きくノンコアである当該事業を売却或いは畳んで撤退することが再生への第1歩であった。
買い手の概要・状況とニーズ
買い手は、金融系コンサルティング会社(以下「B社」)。
このB社の特徴の1つが、
・社内報の活用(帰属意識(愛社精神)の向上と社内コミュニケーションのため)
・会報の活用(顧客ロイヤルティの向上のため)
という紙媒体の発行であった。
社内報は決してプロではない、社内の広報部門が担当。
会報は、専門業者に一括発注していた(管轄は同じ広報部)。
実は、このB社、プロフェッショナルな紙媒体作成を内製化しようというニーズは、顕在化していなかった。
経緯・交渉・スキーム・その後など
弊社アドバイザーは、まず売り手であるA社をIPOコンサルティング会社からご紹介を受けて、事業再生に向けたM&Aを任されていた。
買い手であるB社には、本来別のニーズの相談のためにご面談。その折、現在御社(エクステンド)ではどんか売却希望案件があるのですか?との質問があったので、A社のフリーペーパー事業を含む復習の案件をノンネーム(売り手の企業名が特定できない簡易な情報)でご紹介。
その席にたまたま同席していたB社の広報統括兼務の役員の目に留まったのが、件のフリーペーパー事業である。
担当役員から、A社のフリーペーパー事業で、B社の社内報、会報の作成ができる実力とキャパはあるか?との投げかけからスタート。
交渉もトントン拍子で進み、フリーペーパー事業の事業譲渡、且つ、現在発行の子育て系のフリーペーパーの発行も継続(これは転籍する
フリーペーパー事業の従業員の安心へも繋がる)しつつ、B社の社内報、会報も手掛けることになった。
まさに、
売り手は、不採算且つノンコア事業の売却に成功し、買い手は、外注していた業務の内製化に成功(ただし、買い手側にM&Aニーズはなかった)により、時間を含めたコストの削減に成功した。
その後、子育て系のフリーペーパーは廃刊になったが、転籍したほぼすべての元A社の従業員は、一人も退職することなく、B社社会報、会報の発行を担っており、この社内報は、採用活動へも寄与している。
参考情報
売り手A社の対象フリーペーパー事業の譲渡前に売上規模:3,000万円程度(年)
フリーペーパー事業の人員:6名(企画、撮影、記事作成・編集、広告獲得までワンストップでチーム)
事業譲渡価格は、600万円
ポイント!
・利益なない事業でも、買い手の内製化という切り口で売却達成
・顕在化していないニーズ以外でもM&Aが成就する可能性(アドバイザーの視点からは、顕在化しているニーズ以外でも提案すべき)
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