事業譲渡と会社分割、それぞれのメリットとデメリットとは?
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事業譲渡のメリットとデメリット
「事業買収において、事業譲渡と会社分割のどちらを使うべきだろうか」
「事業譲渡と会社分割、それぞれのメリットとデメリットは何か」
このようなことでお困りの方はいらっしゃいませんか?
事業譲渡と会社分割は、ともに事業を他社へ移転させるもので、会社や事業の買収方法として用いられています。
しかし、
事業譲渡と会社分割のそれぞれには特徴があり、メリットとデメリットがあります。
まず、事業譲渡のメリットとして、引き継がれる権利を選択できる点があります。
そのため、事業に簿外債務がある危険性がある場合には事業譲渡による買収を行うことで、リスク回避できます。
逆に事業譲渡のデメリットとして、
1つ目に譲渡の対価が金銭のみに限られ資金を用意する必要がある点
2つ目に契約を個別に再契約する手間がかかる点
3つ目に非課税資産以外の譲渡には消費税が課税される点
があります。
特に従業員の再雇用などはスムーズに進みにくく、事業譲渡におけるデメリットとなります。
会社分割のメリットとデメリット
一方、会社分割のメリットとしては、
1つ目に事業に関する契約や資産、債権がすべて承継されるため、債権者の同意や再契約を必要としない点があります。
また、2つ目は株式での対価支払が可能であるため、金銭での資金準備の必要がなく、消費税も課税されない点です。
このように会社分割は手間を省ける点が多く、事業承継など大規模な事業移転の場合にも会社分割を用いるほうがメリットが大きくなります。
これに対して会社分割のデメリットは、
1つ目に事業に簿外債務があった場合にはそれも引き継がなければならない点
2つ目に非上場企業の場合には対価である株式が現金化しづらくなる点
があります。
このように事業譲渡と会社分割のメリットとデメリットをよく理解し、買収先の状況に応じて使い分けることで、より有利に事業買収を進めることができるようになるのです。