企業買収時の株式交換はどのようなメリットがあるのでしょうか?
- 会社買収
企業買収時の株式交換のメリットとは
A会社がB会社を10億円で企業買収した、といったニュースを耳にしたことがあるかと思います。
このような企業買収が行なわれるとき、その対価の支払い方には様々な方法があります。
買い手企業が企業買収の対価として新株を発行し、売り手企業の持つ株式と交換することで売り手企業の経営権を獲得する「株式交換」もその1つです。
では、企業買収において株式交換を行なうメリットとは何でしょうか?
企業買収における株式交換のメリットは大きく3つです。
1つ目のメリットは「現金が必要ない」点です。
対価として現金を用いる場合、買い手企業は買収資金により負債比率が増大します。
それに対し株式交換であれば株式の発行をするだけで、買収資金を準備する必要がありません。
特に巨額の企業買収になるにつれ、このメリットは大きくなります。
2つ目のメリットは「企業買収後も別法人として運営できる」点です。
合併と異なり、株式交換により子会社化されても法律上は別法人となります。
これにより、知名度のある会社名を継続できるメリットや、取引先や従業員からの抵抗が減るメリットなどがあります。
3つ目のメリットは「自社の株価が高い場合、割安で企業買収できる」点です。
株式交換による企業買収は、株価を基準に行なわれます。
そのため、自社の株価が高水準であれば、割安で買収が可能となるのです。
同時に売り手企業にとっても、上昇企業との株式交換は株価上昇による恩恵を受けられるメリットがあります。
株式交換によるデメリット
株式交換による企業買収にもデメリットがあります。
まず、株式交換では部分的な買収はできず、債務を含めて全て引き継ぐ必要がある点です。
また、新規発行による株式の希薄化が起こる点や、株価が低水準の企業においては割高の取引になる可能性がある点も注意しなければいけません。
株式交換におけるこれらのメリットとデメリットを見極め、自社に合った方法で企業買収を進めることが必要です。