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- > 土木工事業の経営再建事例 原価管理と社員意識改革で債務超過を解消し黒字化へ

お客様が抱えていた課題・要望
国交省の土木工事を受注する中小ゼネコン会社。経営者は過去に海外へ2億円を投資し、親族へ1億円を貸付。しかし両者とも全額回収不能に陥っていた。
その結果、債務超過となり、メインバンクからの新規融資が断られる事態に。資金繰りの改善や新たな融資先の確保、経営改善のための具体策を求められた。
具体的な相談内容
- 債務超過状態を解消し、新たな融資を受けられるようにしたい
- 利益が上がらない体質を改善し、経営を安定させたい
- 社員の意識改革を行い、原価管理を徹底したい
ご相談企業様負債状況
- 有利子負債:6億円
- 債務超過:5億円
ご相談企業様情報
業種 |
: |
土木工事業(国交省案件の受注がメイン) |
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年商 |
: |
10億円 |
業績 |
: |
経常利益1億円(改善前) |
経営状況の問題点
- 原価管理が全くできていなかった
- 社員が工事を早く完了させることだけを重視し、利益を意識していなかった
- 経営努力による黒字転換後も借入金削減が進まない状況
- 決算書の粉飾が常態化し、正確な財務状況が把握できない状態
根本的な経営課題
- 企業全体の利益意識の欠如
- 経営者の過去の不良投資が資金繰りを圧迫
- メインバンクからの融資拒否による資金調達の難航
エクステンドの提案

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原価管理の徹底 |
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工事別の管理フォーマットを導入し、管理者が毎月進捗を入力を提案。
これにより、工事ごとの収益状況がリアルタイムで把握できるようになり、資金繰りの見通しも明確になった。さらに、入出金管理を徹底し、資金繰り予測を精緻化することで無駄な支出を抑制する。
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社員の意識改革 |
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利益を重視する社内体制を構築するために決算賞与制度と人事評価制度を導入の提案。
これにより、従業員が利益を意識した行動をとるようになり、業務効率や工事品質の向上につながった。さらに、工事の点数評価や表彰制度を実施し、競争意識を高めた結果、落札率が向上し、売上にも好影響を与えた
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金融機関との交渉 |
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メインバンクに対してDDS(債務の株式化)を要請を提案。
しかし、DDSの実施は難しかったため、代替策として金利引き下げ交渉を行い、同程度の金利低減を実現。これにより、資金繰りが安定し、金融機関からの信頼も回復した。
コンサルの成果

社員の意識改革が進み工事品質・利益率が向上
工事ごとの評価制度やインセンティブの導入によって施工精度が高まり、工事点数の平均が上昇。これに伴い、公共工事の入札における競争力が強化され、落札率が向上したことで安定した受注につながった。

財務状況の改善6年間で累計430百万円の純利益を上乗せ
原価管理の徹底と資金繰りの最適化により、不要なコストを削減。これにより、資金効率が向上し、経営の安定化が実現した。

銀行との関係も正常化し融資が再開
債務超過は依然として1億円程度残っているものの、金融機関との交渉を通じて信用を回復。DDS(債務の株式化)は実現しなかったものの、DDSと同程度の金利引き下げによる負担軽減を達成し財務改善が進んだ。銀行の評価も回復し、資金調達の選択肢が広がることで、事業の継続性が確保された。
コンサルタントの率直な感想
今回の経営改善では、原価管理の強化・社員の意識改革・金融機関との関係改善という3つのポイントが鍵となった。特に、工事別の原価管理フォーマットの導入と、社員の利益意識向上が大きな成果をもたらした。従来は「工事を早く終わらせること」が優先され、利益やコスト管理が徹底されていなかったが、決算賞与制度やインセンティブ制度の導入により、社員が主体的に利益を意識するようになった。
「また、金融機関との交渉による金利引き下げは、資金繰りの改善に大きく貢献。DDS(債務の株式化)は実現しなかったものの、銀行の信用回復によって融資が再開され、企業の財務体質が徐々に健全化している。
今後の課題としては、さらなる利益率向上と債務超過の完全解消が挙げられる。現在も1億円の債務超過が残るが、原価管理と資金繰りの最適化を続けることで、財務の安定化と持続可能な成長を目指す。引き続き、エクステンドが伴走しながら、今後はさらなる利益率向上と財務体質の強化を目指し、引き続き支援を継続していきます。
エクステンドでは、経営者からの無料相談を受け付けています。経営再建したい、新たな資金調達を得たいや、返済・資金繰りが厳しいなどのお悩みでしたらお気軽にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。
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