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中小企業活性化協議会を活用した事業再生とは?費用面でのメリットも

中小企業活性化協議会は、中小企業の事業再生や収益力の改善を支援する、国による公的な機関です。中小企業活性化協議会は全国47都道府県に設置されており、経営に悩む中小企業の相談窓口となっています。

 

事業がうまくいかずに経営に窮している場合などは、中小企業活性化協議会に相談することでさまざまなアドバイスを受けることができ、状況によっては中小企業活性化協議会の支援を受けて事業再生に取り組むことも可能です。しかし、中小企業活性化協議会を活用した事業再生には、メリットもあればデメリットもあります。

 

今回は、中小企業活性化協議会を活用して事業再生を行うメリットとデメリットについてご説明します。

 

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中小企業活性化協議会を活用した事業再生

 

中小企業の事業再生を支援する中小企業活性化協議会とは

中小企業活性化協議会とは、経営状況の悪化に苦しむ中小企業の相談を受け、事業再生などのサポートをするために設立された公的な機関です。中小企業活性化協議会は、それまであった中小企業再生支援協議会と経営改善支援センターを統合して2022年4月から発足した組織で、中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジを一元的に支援しています。

中小企業活性化協議会による事業再生の流れ

中小企業活性化協議会を活用した事業再生は、裁判所を介さずに債務整理を行う私的再生にあたります。中小企業活性化協議会には、事業再生に関する専門家が常駐しており、中小企業からの相談を受け付けています。中小企業の経営者から事業再生に関する相談を受けると、提出された資料や面談でヒアリングした内容を基に、現在の事業の運営における問題点を指摘し、事業を再生するにあたっての対応策や支援機関などのアドバイスなどを行っています。

 

また、相談後に中小企業活性化協議会が支援を行うことで事業再生が成功する可能性が高いと判断された場合は、弁護士や税理士、中小企業診断士等で構成された専門家のプロジェクトチームが結成され、事業再生計画の策定支援が行われます。

 

事業再生計画書が完成すると、中小企業活性化協議会が調整を行った金融機関に事業再生計画案が提示され、金融機関の同意を得ることができると、事業再生計画が実行されるようになります。

事業再生計画策定の3段階プロセス

事業再生において選択される再生手法、すなわち金融機関による支援の内容は、対象企業の窮境要因、財務状況、今後の経営改善計画に基づく収益計画の内容を踏まえて選択されるものです。中小企業活性化協議会では、段階的なアプローチと多様な手法を組み合わせることで、企業の状況に最適化された事業再生支援を提供しています。

 

活性化協議会では、以下の段階的アプローチで事業再生を支援します。第3段階において財務改善の指標である「実質債務超過解消年数」、「債務償還年数」を踏まえた再生手法を選択することになります。

第1段階:デューデリジェンスによる実態把握

企業の財務状況と事業状況を徹底的に調査し、経営悪化の根本原因を特定します。この段階では、窮境要因を見極めることが最重要課題となります。

第2段階:「自助努力のみの経営改善計画」の策定

金融支援を前提とせず、企業の自助努力のみによる改善計画を策定します。この段階で企業本来の事業力による回復可能性を検証します。

第3段階:「経営改善計画」の策定

対象債権者も含めた関係者で協議し、具体的な金融支援策を含めた実行可能な再生計画を確定します。

事業再生計画の数値基準

  • 実質債務超過解消:実質債務超過が5年以内に解消すること
  • 収益性回復:経常利益が3年以内に黒字化すること
  • 債務健全性:再生計画の終了年度において、有利子負債がキャッシュフローの10倍以下に収まること

事業再生手法の体系と選択プロセス

事業再生手法の選択フローチャート

企業の財務状況診断

実質債務超過解消可能性の検証
✓ 5年以内解消可能?
✓ 3年以内黒字化可能?
✓ CF10倍以下達成可能?

軽度の資金繰り悪化

リスケジュール

中程度の財務悪化

DDS / DES

重度の債務超過

債権放棄
第二会社方式検討

具体的な事業再生手法

①リスケジュール(返済条件の変更)

返済期間の延長や返済額の減額により、資金繰りを改善する最も基本的な手法です。企業の信用への影響が最小限に抑えられます。

②DDS(Debt Debt Swap:資本性借入金)

既存の借入金を資本性借入金に転換し、実質的に自己資本を増強する手法です。中程度の財務悪化に有効です。

③DES(Debt Equity Swap:債務の株式化)

借入金を株式に転換することで債務を圧縮し、財務体質を改善する手法です。株式化可能な債務に限定されます。

④債権放棄

金融機関が債権の一部を放棄することで、企業の債務負担を直接的に軽減する手法です。重度の債務超過に適用されます。

⑤第二会社方式による実質的債権放棄

債務者の事業の全部または一部を会社分割又は事業譲渡により別会社に承継した後、当該債務者企業を特別清算手続又は破産手続により清算する再生手法です。

再生手法別効果比較表

手法 債務圧縮効果 実行難易度 信用への影響 適用条件
リスケジュール 軽微 一時的資金繰り悪化
DDS 軽微 中程度の財務悪化
DES 中程度 株式化可能な債務
債権放棄 中程度 重度の債務超過
第二会社方式 最高 最高 重大 事業継続価値あり

活性化協議会支援プロセスの実践的活用

Phase 1: 相談・診断段階

窓口の相談料が無料で、一次対応である相談から支援可能性の調査まで、企業の費用負担は発生しません。財務状況の詳細な調査分析(デューデリジェンス)を実施します。

Phase 2: 計画策定段階

専門家チーム(弁護士、公認会計士、中小企業診断士等)による計画策定支援が行われます。企業の自助努力による改善計画から、金融支援を含む総合的な再生計画まで段階的に策定します。

Phase 3: 金融機関調整段階

活性化協議会が調整を行い、金融機関に事業再生計画案を提示します。金融機関の同意を得ることができると、事業再生計画が実行に移されます。

 

中小企業活性化協議会では、年商や企業規模に関係なく、収益力改善支援から事業再生、再チャレンジ支援まで様々な支援メニューを提供しています。しかし、多岐にわたる支援内容の中から自社の状況に最適な支援を選択することや、計画実行後の継続的なフォローアップについては課題となることがあります。

 

「自社にはどの支援が最適なのか分からない」「活性化協議会の支援終了後も継続してサポートを受けたい」「事業面での改善も同時に進めたい」といったお悩みをお持ちの場合は、専門的な事業再生コンサルティングの活用が効果的です。

 

エクステンドでは、活性化協議会の支援内容を熟知した上で、お客様の状況に応じた最適な支援プランをご提案し、必要に応じて活性化協議会との連携もサポートいたします。また、財務改善だけでなく事業戦略面でのフォローアップも継続的に行います。

 

活性化協議会の活用を検討したい方、事業再生したいと検討している方は、まずは下記バナーより「無料相談」で現状をお聞かせください。最適な支援の組み合わせと継続的なサポート体制をご提案いたします。

 

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中小企業活性化協議会を活用した事業再生のメリット

中小企業活性化協議会を利用した事業再生には、次のようなメリットがあります。

私的再生であるため、社会的な信用を失わずに事業を再生できる

中小企業活性化協議会が進める事業再生は私的再生であり、法的再生のように事業状況が悪化していることが公表されることはありません。また、中小企業活性化協議会から取引先や仕入れ先などに事業の状況が伝えられることもないため、社会的信用を失い、取引先から契約を解除されたり、仕入れ先企業から敬遠されたりといったリスクが生じません。

信用保証協会と連携しているため信用保証協会の理解を得やすい

中小企業活性化協議会と信用保証協会は、中小企業の事業再生において連携した支援を行っています。そのため、中小企業活性化協議会が策定に関わった事業再生計画については、信用保証協会が代位弁済を実施し、債権放棄を行ってもらえる可能性があります。

事業再生にかかる費用を軽減できる

中小企業活性化協議会では、窓口の相談料が無料であるなど、費用面でも安心です。一次対応である相談から、支援が可能であるかの調査まで、企業の費用負担は発生しません。また、適切な金融支援の内容を検討するファイナンシャルデューデリジェンスや、ビジネスモデルや市場の状況などを検討するビジネスデューデリジェンスなどにかかる費用、事業再生計画策定支援にかかる費用などの補助を受けられる可能性があります。そのため、事業再生にかかるコストが削減できるといったメリットもあります。

中小企業活性化協議会を活用した事業再生のデメリット

中小企業活性化協議会を活用するメリットをお伝えしましたが、メリットも多くある一方で、中小企業活性化協議会を利用した事業再生にはデメリットもあります。

 

中小企業活性化協議会による事業再生の主なデメリットは次のようなものです。

中小企業活性化協議会の事業再生を利用できる中小企業は限られる

中小企業であれば誰でも無料で中小企業活性化協議会に相談することができますが、そこから事業再生計画の策定支援を受けられるのは一定の要件を満たす中小企業に限られてしまいます。

 

中小企業活性化協議会が、再生支援によって合理的な再建計画が可能であると判断する基準は、決して緩くはありません。したがって、中小企業活性化協議会から事業再生の支援を受けられる企業は、再生の可能性が高い中小企業であり、事業再生の可能性が低い中小企業は中小企業活性化協議会の支援を受けにくいのが現状です。

中小企業活性化協議会が目指す事業再生は、財務面の再生

中小企業活性化協議会が支援する事業再生は、財務面の再生に特化したものです。中小企業活性化協議会によって結成されるプロジェクトチームは、弁護士や公認会計士、中小企業診断士などで構成されます。債務を抱える中小企業にとって、債務を整理することは、事業の再生につながります。

 

しかしながら、債務の整理によって再生できるのは財務面に限られてしまうのです。債務整理で危機を乗り越えた後は、事業を再生させて事業による収益力を高め、企業としての力を蓄えていかなければなりません。中小企業活性化協議会には、経営やマーケティングに関する知識と実績を持つ専門家が参加するケースはそれほど多くないのが現状です。

 

したがって、一時的な財務面の改善による事業再生を目指すのではなく、事業自体の再生を目指すのであれば、中小企業活性化協議会の活用だけでは目的を達成できない可能性があります。

中小企業の事業再生なら経営コンサルタントに相談を

中小企業の事業再生の方法には、法律を活用して事業再生を図る法的再生と、裁判所が介入せずに任意に事業再生を図る私的再生があります。中小企業活性化協議会を活用して事業再生を進める場合、中小企業活性化協議会によって事業再生の可能性が高い企業であると認められる必要があります。

 

また、中小企業活性化協議会の支援による事業再生計画は、信用保証協会の支援も受けやすく、財務面を再生させるにあたっては非常に有効なものだと言えるでしょう。しかしながら、中小企業活性化協議会の専門家チームは財務面でのエキスパートが集結しているものの、経営面に強い専門家はあまり在籍していません。

 

そのため、財務面を再生させるだけでなく、事業そのものの復活を遂げるためには現在の状況や将来性、市場の動向などを見極める必要があります。こうした手順を踏んで確実に収益を上げるための事業計画を策定することは難しいと言えるでしょう。

 

中小企業活性化協議会に相談したものの事業再生の支援は受けられなかった、財務面の再生だけでなく真の事業再生を目指したいという場合は、エクステンドにご相談ください。財務面の復活だけでなく、中長期的な視野で事業の再生を目指す支援を行っています。

 

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まとめ

中小企業活性化協議会による事業再生には、費用面も含め、さまざまなメリットもある一方で、全ての中小企業が活用できるわけではない点や、事業面における再生には注力されていないなどのデメリットもあります。

 

財務面の再生だけでなく、抜本的に事業を再生し、活気ある会社を取り戻したいとお考えの際には、中小企業に特化した財務コンサルティングを行っているエクステンドまでお問い合わせください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。現状をヒアリングし、具体的なアドバイスを行います。

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