実際の事例集
お客様が抱えていた課題・要望
創業70年以上の老舗小売店は、無理な出店による巨額赤字と巨額の撤退費用が発生し粉飾決算を繰り返した結果、金融機関との信頼関係が悪化。新規融資を受けられない状況に陥り資金繰りが困難。また、経営計画の甘さや幹部社員の能力不足により、経営効率が低下。透明性の欠如が問題解決をさらに遅らせる結果となってしまった。
具体的な相談内容
- 総額9,000万円に及ぶ撤退費用(違約金・原状回復費用)をどう調達するか
- 全ての金融機関が融資を渋る中で、資金繰りを維持する方法を模索
- 経営基盤を立て直し、持続可能な運営を実現する必要
ご相談企業様負債状況
- 総借入額:11億3,000万円(前期比で1億6,000万円増加)
- 月々の返済額:2,700万円
- 粉飾による架空在庫計上:1億円
ご相談企業様情報
業種 |
: |
小売業 |
---|---|---|
年商 |
: |
45億5,000万円 |
業績 |
: |
営業利益△4,000万円、当期利益△7,000万円 |
経営状況の問題点
- 無理な出店:ショッピングモールへの大型店舗進出が失敗し多額の赤字を発生
- 粉飾決算:在庫を過大計上することで健全性を装っていた
- 資金繰り:返済負担が重く、新規融資も受けられない
- 財務体質:純資産は減少、自己資本比率が低下していた
根本的な経営課題
- 経営戦略の甘さ:市場調査や出店計画が不十分で、不採算店舗の撤退にも多額の費用が発生
- 人材不足:幹部社員や店舗管理者の能力が不足し、効率的な運営ができていなかった
- 経営の透明性欠如:粉飾決算が問題を先送りし、事態を悪化させた
エクステンドの提案
金融機関との関係構築 |
コンサル同席の上、粉飾決算を正直に開示し、透明性を確保したうえで金融機関への説明の実施。
地方銀行や信用金庫を中心に、複数の金融機関から融資を引き出す交渉の展開。
資金繰りの改善 |
不採算店舗の撤退を進め、撤退費用を確保するための新規融資を調達。
返済負担の軽減を目的に、一部金融機関でのリスケジュールを提案。
経営計画の見直し |
無理な出店計画を防ぐため、立地選定や収益予測を徹底した計画を策定。
過剰な人員配置の解消と労働分配率の最適化を実施。
人材育成の仕組み作り |
経営基盤強化のため幹部社員の育成を推進し、管理能力向上を目指す。
外部からの有能な人材確保を支援し、新たな店舗運営の指揮を強化。
コンサルの成果
金融機関2行から新規融資1億8000万円の調達
エクステンドの支援により、地元の2銀行から計1億8000万円の融資を確保。金融機関への説明において、財務の透明性を強調し、複数回の交渉を経て信頼を獲得しました。この資金により、不採算店舗の撤退費用をまかなうことが可能となりました。
不採算店舗3店の撤退と労働分配率の見直し
3つの不採算店舗を閉鎖。撤退には違約金や原状回復費用が発生しましたが、金融機関からの融資を活用し解決。併せて、人件費の見直しを行い、社員126名中20名の退職を実施。余剰人員の再配置も進めることで、労働分配率の適正化を図りました。
財務体質を改善し営業利益を2300万円、経常利益を1100万円に黒字転換
不採算店舗の撤退と人員整理により、無駄なコストを削減。これにより、次期には営業利益2300万円、経常利益1100万円を達成し、黒字化を実現しました。また、粗利率を42%に引き上げる見込みが立ち、より筋肉質な財務体質へと転換しました。
コンサルタントの率直な感想
今回の支援では、まず粉飾決算や無理な出店が招いた財務の歪みを正し、経営の透明性を確保することから始めました。金融機関との信頼関係を再構築する中で、地元銀行や信用金庫の協力を得られるよう粘り強く交渉を重ね、必要資金を確保しました。また、不採算店舗の撤退や人員整理を通じて労働分配率を最適化し、財務体質を筋肉質なものへと改善することができました。
さらに、経営基盤の強化に向けた人材育成にも注力しました。特に、幹部社員の能力強化や外部からの有能な人材の採用を行い、現場の自主性を高めることができました。社長も、厳しい状況の中でリーダーシップを発揮し、再建への道を切り開く姿勢を持ち続けていました。
今後の課題としては、幹部社員やスタッフのさらなる成長と、持続的な収益確保のための改善活動を継続することが重要です。特に、借入金の削減を進めることで資金調達力を高め、長期的な成長を支える体制を構築することが必要です。再生の道筋をつけたとはいえ、経営改善の取り組みを途切れさせないことが、今後の成功に繋がると考えています。
エクステンドでは、経営者からの無料相談を受け付けています。赤字、粉飾決算、新たな資金調達を得たいや、返済・資金繰りが厳しいなどのお悩みでしたらお気軽にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。
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