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3.5億円で株式譲渡を実現した株主調整のポイント
売り手会社の情報 | |
業種 | 創業40年の地元で有名な建設会社 |
年商 | 3億6,000万円 |
営業利益 | 営業利益7,000万円 |
時価純資産 | 5億円 |
従業員数 | 20名 |
借入金 | 1,000万円 |
経営状況 | 株主は親族10名で構成され、経営陣の多くが80代と高齢 | 買い手会社の情報 |
業種 | 建設業 |
買収目的 | 本業とのシナジー効果とエリア拡大を目的にM&Aを検討 |
売り手の概要・状況とニーズ
創業40年の歴史を持つ地元で有名な建設会社は、堅実な経営により安定した財務基盤を築いていました。しかし、経営陣の多くが80代と高齢であり、事業承継が喫緊の課題となっていました。社内には40代の後継者候補がいたものの、人望の欠如により社内の評価が低く、親族内承継の実現が困難な状況でした。
さらに、同社の株主は親族10名で構成されており、経営に関与している株主と関与していない株主がそれぞれ半数ずつ存在していました。これにより、M&Aを進める上で株主全員の合意が必要となり、銀行が関与できない状態に陥っていました。一方で、長年の安定経営により株主には配当が支払われており、彼らはこの収入を楽しみにしていました。そのため、M&Aによる株式譲渡後の金銭的なメリットを具体的に示すことで、合意を得る必要がありました。
こうした状況を踏まえ、西東建設は後継者問題を解決し、株主の利益を確保しながら企業の存続と従業員の雇用を守るために、M&Aによる第三者承継の道を模索することになりました。
買い手の概要・状況とニーズ
買い手企業は、建設業界での事業拡大とエリア拡大を目的として、優良な中小企業のM&Aを積極的に検討していました。売り手企業は、安定した財務基盤と高い収益性を持つ企業であり、シナジー効果を期待できる魅力的な買収対象でした。
特に、長年の経営により築かれた地元での信用力や既存の取引先ネットワークが、買い手企業にとって大きなメリットとなりました。また、M&Aを進めるうえで、売り手の株主全員の合意が必要であることを事前に把握し、スムーズな承継を実現するための調整を重視していました。
最終的に、企業価値評価を経て株式譲渡価格は3億5,000万円に決定。事業の継続性を確保しながら、既存の従業員の雇用を守る形でのM&Aが進められました。買い手企業にとって、買収は、新規エリア進出と事業強化の両面で大きな成長機会となるものでした
経緯・交渉・スキーム

株主全員の意向確認
・定期的な配当を楽しみにしていた株主が多数
・会社が親族の手を離れることには異論なし
・M&A成立時に得られる譲渡金を提示することで合意を得る

株式譲渡価格の確定
・買い手企業との交渉を進め、3億5,000万円で合意
・株主ごとに約3,500万円の譲渡益を受け取る

親族会議の開催
・高齢の株主が内容を忘れないよう、息子・孫も含めた親族会議を実施
・説明と計算式の提示により、最終的に全員の承諾を得る

経営陣への特別配慮
・経営に関与していた5名の株主は、非経営株主との譲渡益に差がないことに不満
・買い手企業と交渉し、別途5,000万円の退職金を用意し、経営陣の功績に報いる望
M&Aが成功した要因・ポイント
株主間の合意形成を丁寧に実施
M&A成功の鍵は 「株主間の合意形成」です。本件では、親族株主10名全員の意向を丁寧に確認し、個別ヒアリングや親族会議を実施。「株主間調整」を徹底することで、スムーズな承継を実現しました。特に高齢の株主に対しては、譲渡益の具体的な金額提示を行い、「納得感のあるM&A」を推進しました。
買い手企業へのスムーズな情報提供と交渉
M&Aにおいて 「買い手企業の選定」は極めて重要です。株式会社西東建設は財務内容が健全であったため、「優良企業のM&A案件」として注目され、早期に買い手が見つかりました。さらに、交渉段階で 「企業価値評価(バリュエーション)」を適切に行い、3億5,000万円の譲渡価格を決定。買い手企業へ 「透明性の高い情報開示」を行うことで、短期間での成約を実現しました。
売り手経営陣への配慮
M&Aでは、売り手経営陣の 「M&A後の待遇」も考慮すべき要素です。経営に関わっていた株主5名は、非経営株主との譲渡益に差がないことに不満を感じていました。そこで、買い手企業と交渉し、「M&Aにおける退職金スキーム」を活用。合計5,000万円の退職金を設定し、売り手経営陣の満足度を高めました。これにより、「売却後の円満な引継ぎ」を可能にしました。
後継者問題をクリアにし、スムーズな承継を実現
本件では、40代の後継者候補がいたものの、人望の問題から社内評価が低く、「親族内承継の難しさ」が浮き彫りになりました。西東社長は親族内承継を断念し、「第三者承継(M&A)」を選択。結果的に、企業の存続と従業員の雇用を守る 「最適な事業承継の形」を実現しました。
まとめ
このM&A成功事例は、「株主調整」「企業価値評価」「M&A後の経営陣配慮」「最適な事業承継の選択」という4つのポイントを押さえることで成約に至りました。中小企業のM&Aにおいては、「スムーズな株式譲渡」「後継者問題の解決」「事業承継M&Aの最適化」などが重要な要素となります。本事例のようなM&A戦略を参考に、自社に適した承継計画を立てることが成功の鍵となります。
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