実際の事例集

お客様が抱えていた課題・要望
関東で文具製造販売を行う企業は、安価な海外製品との競争により収益が悪化し、資金繰りが厳しくなっていました。代表者は3代目で、経営管理の体制が整っておらず、財務面の詳細を十分に把握できていない状況。特に、過度な安売りによる利益率の低下や、仕入価格の上昇に対応できず、適正な価格設定ができていなかったことが大きな問題でした。
また、取引先の多様化が進んだものの、どの企業に注力すべきか明確にできず、経営資源の最適化が困難でした。さらに、製造アイテム数が多く、在庫管理が煩雑化して資金の流動性を低下させていました。経営改善のためには、売上の拡大だけでなく、利益を確保する仕組みを構築し、財務管理を強化する必要がありました。
具体的な相談内容
- 価格競争の激化による収益低下
- 毎月の借入金返済負担の増大
- 過度な安売りによる粗利の低下
- 経営管理体制の不備による資金繰りの悪化
- 製造アイテムの多様化によるコスト増
ご相談企業様負債状況
- 有利子負債:約4億円
- 資金繰りが逼迫し、毎月の返済が大きな負担となっていた
ご相談企業様情報
業種 |
: |
文具製造販売業 |
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年商 |
: |
約3億円 |
業績 |
: |
経常利益はほぼゼロ、もしくは赤字状態 |
経営状況の問題点
- 収益構造が脆弱で、価格競争に巻き込まれやすい
- 仕入価格の上昇に対し、価格転嫁が十分にできていない
- 過剰な在庫を抱えており、資金の流動性が低下
- 経営者が計数管理に詳しくなく、財務改善の戦略が立てられない
根本的な経営課題
- 利益率の改善が必要(低価格競争からの脱却)
- 仕入管理・在庫管理の見直し
- 経営管理の強化(資金繰り表の作成、財務計画の策定)
- 製品ラインナップの見直しによるコスト削減
エクステンドの提案

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Aランクの主要取引先50社を選定し優先対応を行う |
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売上高や利益率の高い主要取引先50社を選定し、各社に最適な商品提案を実施。
顧客ニーズに応じた販売戦略を強化することで、受注率と利益率の向上を図りました。特に、既存顧客との関係を深め、LTV(ライフタイムバリュー)を最大化することに注力し、安定した売上基盤の確立を目指しました。
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製造アイテムの削減によるコスト低減 |
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製品の製造コストを削減するために、人気商品のカラー展開を11色から7色へ統一の提案。
これにより、原材料費の削減と生産効率の向上を実現しました。また、SKU(在庫管理単位)を見直し、適正在庫管理を徹底することで、在庫回転率を改善し、キャッシュフローの健全化を図りました。
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価格戦略の見直し |
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過度な値引き販売を制限し、適正価格での販売を徹底。価格競争に巻き込まれないために、ターゲット市場を明確化し、高付加価値商品を中心とした販売戦略へとシフトを提案。
さらに、コストプラス法や競争価格分析を活用し、利益を確保できる価格設定を実施。これにより、利益率の向上と持続可能な収益モデルの確立を実現しました。
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経営管理の強化 |
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財務管理の強化を目的に、毎月の資金繰り表を作成し、キャッシュフロー管理を徹底。仕入管理を見直し、工場長に仕入れの権限を集約することで、価格交渉力を強化を提案。
また、経営指標を定期的にチェックし、KPI(重要業績評価指標)をもとに業務改善を推進。これにより、財務体質を強化し、経営の安定化を実現しました。
コンサルの成果

主要取引先ごとに適切な商品提案を行い売上増加を実現
顧客ごとの購買データを分析し、売上・利益率の高い主要取引先に対して最適な商品提案を実施。ターゲットを明確化することで、販売単価の引き上げと取引継続率の向上を達成しました。また、BtoBマーケティングを強化し、リピート受注の増加を促進。結果として、売上成長と収益性の向上を実現しました。

アイテム数削減による原価低減(カラー11色→7色)
製造コスト削減のために、商品ラインナップを見直し、売れ筋商品のみに集約。特に、カラーバリエーションを11色から7色に削減することで、原材料費の抑制と生産効率の向上を実現しました。SKU管理の最適化により、製造プロセスの効率化とコストダウンを同時に達成し、利益率を大幅に改善しました。

価格改定による利益確保
市場競争を分析し、過度な値引きを廃止して利益を確保できる価格設定を導入。コストプラス法を活用し、適正なマージンを確保しながら、ターゲット市場に適したプライシング戦略を策定しました。これにより、利益率の低下を防ぎつつ、持続可能な収益モデルを構築しました。

在庫管理の適正化により資金繰りが改善
過剰在庫を削減し、適正在庫管理を徹底することで、キャッシュフローを改善。在庫回転率の向上とデッドストックの削減により、資金繰りの安定化を実現しました。さらに、発注プロセスを見直し、JIT(ジャスト・イン・タイム)生産方式を取り入れることで、不要な仕入れを防ぎ、資金効率を最大化しました。

資金繰り表の作成により財務管理が強化される
毎月の資金繰り表を作成し、キャッシュフローを可視化することで、経営判断の精度を向上。入出金管理の最適化を図り、支払能力の維持と借入金返済の計画的な実施を実現しました。また、KPI(重要業績指標)を導入し、財務状況の定期チェックを行うことで、経営リスクを最小限に抑える仕組みを構築しました。
コンサルタントの感想
経営改善において重要なのは、売上の拡大ではなく、確実に利益を確保することです。適切な価格設定を行い、無駄なコストを削減し、資金繰りを管理することで、安定した経営基盤を築くことができます。今回の取り組みでは、収益構造を見直し、在庫管理を適正化することで資金繰りを改善し、持続可能な利益を確保する仕組みを構築しました。
しかし、今後も継続的な計数管理を徹底し、より精緻な財務分析を行うことが求められます。また、さらなるアイテム数の削減を進めることで、製造効率と利益率の向上を図ることができます。加えて、ネット販売の強化によって新たな販路を開拓し、従来の取引先に依存しない収益基盤を構築することも重要な課題となります。こうした取り組みを継続することで、企業の長期的な成長と経営の安定化を実現できるでしょう。
エクステンドでは、経営者からの無料相談を受け付けています。経営改善したい、新たな資金調達を得たいや、返済・資金繰りが厳しいなどのお悩みでしたらお気軽にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。
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