赤字1,500万円・後継者不在の製造業M&A成功事例：4,500万円での株式譲渡の全過程 | 株式会社エクステンド

赤字1,500万円・後継者不在の製造業M&A成功事例
4,500万円での株式譲渡の全過程

売り手会社の情報
所在地	人口3万人の地方都市
事業内容	製造業
従業員数	4名
直前期売上	3,700万円（2年前の6,500万円から▲43%）
直前期営業利益	▲1,500万円（赤字）
経営状況	社長の体調悪化により売上減少、資金繰り難航
M&A希望理由	後継者不在、社員雇用の維持、取引先との関係継続
買い手会社の情報
会社住所	同市内
業種	製造業
事業内容	異なる製造分野だが、シナジー効果を狙った買収
買収目的	事業拡大、技術の獲得、地域密着型経営

売り手の概要・状況とニーズ

売り手企業は、40年以上続く製造業でした。しかし、社長が体調を崩し、売上は大幅減少。直近の営業利益は▲1,500万円の赤字となり、資金繰りにも苦しんでいました。

72歳の社長は「会社を存続させ、社員の雇用を守りたい」という強い思いを持っており、スモールM&Aを検討。企業価値を算出し、買い手を探すプロセスが始まりました。

買い手の概要・状況とニーズ

買い手企業は、同市内に拠点を持つ製造業。売り手企業とは異なる製造分野ではありましたが、技術の活用や人材の確保を目的に買収を検討。スモールM&Aを活用し、事業拡大を狙っていました。

最終的に、買い手側は売り手企業の事業性や地域性を考慮し、適正な買収価格を提示しました。

経緯・交渉・スキーム

企業価値算出と買い手探し

・財務調査を実施し、時価純資産を4,700万円と算出

・買い手候補を30社リストアップし、アプローチ開始

・4社が関心を示し、面談・視察を実施

買収金額の交渉

・当初、社長は6,500万円を希望

・買い手2社が最終候補となり、提示額は1,500万円と4,500万円に分かれた

・社長は「もっと高く売れるのでは？」と再考したが、妥当な価格であることを説明

社長の意思決定と家族の説得

・社長は価格に納得できず交渉が難航

・家族が「体調や年齢を考慮して早期契約が最優先」と説得

・社長は最終的に4,500万円での譲渡を決断

従業員の面談と最終合意

・買い手企業が「従業員全員との面談を希望」

・事前に事業承継を告知し、全員が継続勤務を希望

・4,500万円で株式譲渡が成立

M&Aが成功した要因・ポイント

売り手企業が地元企業との交渉に前向きだった

本事例では、「地域密着型M&A」の強みを活かし、同市内の製造業に買収先を絞ったことでスムーズな交渉が実現しました。中小企業のM&Aでは、遠方の企業との交渉よりも、「事業承継しやすいエリア」でのマッチングが成功のカギとなります。

買い手企業が売り手の事業・技術に価値を見出した

売り手企業の製造技術は、買い手企業の本業とは異なる分野でしたが、「製造業M&A」「技術承継」「事業シナジー」といった観点から買収が成立。買い手が「技術の活用による事業拡大」を狙っていたため、単なる赤字企業の救済ではなく、成長戦略の一環としてのM&Aとなりました。

家族の説得により、売り手社長が現実的な判断を下した

売却価格について売り手社長が当初希望額と折り合いがつかず難航しましたが、「後継者不在M&A」「高齢経営者のM&A」という状況を踏まえ、家族の説得が成功の決め手となりました。特に、「廃業と比較した場合の経済的メリット」を丁寧に説明したことが、現実的な意思決定につながりました。

従業員の雇用継続を前提としたスムーズな交渉が実現した

M&A交渉の際、買い手企業が「従業員の雇用継続」を条件とし、事前に全社員との面談を実施。これにより、「従業員のM&A不安」「従業員の流出リスク」を回避し、スムーズな事業承継が可能になりました。従業員の理解と協力を得られたことが、「スモールM&A成功事例」の重要ポイントとなっています。

営業利益が赤字でもスモールM&Aによる譲渡が可能だった

「赤字企業のM&Aは難しい」と思われがちですが、本事例では「企業価値算定の適正化」「清算時との比較」「地域密着型のM&A戦略」によって、赤字1,500万円でも買収を成立させました。「赤字企業のM&A成功事例」「スモールM&Aのメリット」など、後継者不在の中小企業にとって有益な知見が得られる事例です。

M&Aは「黒字企業のみ」の手法ではありません。赤字企業でも適切なプロセスを経れば、企業価値を見出し、最適な買い手とマッチングすることが可能です。後継者問題や資金繰りに悩む経営者の方は、エクステンドの無料相談をご利用下さい。

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