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  3. > 経営分離による再生事例 安易な会社合併を見直すことから始まった

新規資金調達 経営分離

お客様が抱えていた課題・要望

会社合併によるさらなる成長を目指したが、
合併先の事業の売上が上がらず、新会社の資金繰りを大きく圧迫。

具体的な相談内容

  • 合併先の事業の売上が上がらず、資金繰りに悪影響を及ぼしている。
  • 会社合併による新規借入金と継承した借入により、合併前より資金繰りが悪化している。
  • 合併先が売上を上がらないに対し、問題意識をいただいていない。
  • 非能率的な組織構成の改善したい。

ご相談企業様負債状況

  • 合併前負債F社8000万円
  • 合併前負債O社3000万円
  • 合併後負債1億4000万円

ご相談企業様情報

業種

ITシステム受託開発業

年商

4.2億円

業績

下降気味

新規資金調達 再生への道のり

STEP01

問題点の把握と事業再生の方向性

クライアントである新会社A社社長(旧F社社長)との面談相談を受け、新規資金調達・業績の改善に向けた一連のリストラクチャリングの着手を提案した。旧F社社長には示したリストラクチャリング案に同意いただき、顧問契約を締結後、コンサルタントを派遣する。
派遣したコンサルタントは新規資金調達を実現するにあたり旧F社社長と、旧F社社長の右腕であるK取締役からヒアリングを行い、同社の抱える問題点を以下のように整理した。

1.

取締役会の構成が歪(いびつ)で、健全なコーポレートガバナンスが実現されていない。

2.

組織が事実上二つに分裂しており、会社リソースが効率的に配分されていない。

3.

分裂している組織ユニットがいずれも責任センター化しておらず、経営のアノミー(規範が緩んだり崩壊し、無規範や無規則など混乱した状態のこと)が発生している。

4.

会社の営業赤字がマイナスで、同様にキャッシュフローもネットでマイナスになっている。

一見したところ、同社の経営上の問題が、旧会社Fと株式会社Oの合併の失敗にあることは明らかであった。コンサルタントは新規資金調達するのが最善の方法と判断し、直ちに合併の解消と、経営の抜本的立て直しスキームを立案し、旧F社社長に新規資金調達を提案した。

STEP02

経営の分離による事業再生

もともと旧会社Fにとって不平等な合併比率での合併であったため、同社の経営権は実質的にO社社長に掌握されたまま新会社Fがスタートした。
それゆえ、資本構造の旧F社側経営陣による適正化は困難であると判断し、新会社Fとは別に新たに株式会社Rを設立し、新会社へ新会社Fの営業を水面下でシフトさせる新規資金調達手段が提案された。
本件については、(1)競業避止、(2)法的整理に追い込まれた場合の詐害認定リスクをそれぞれ検証し、コンプライアンス上問題がなく、かつ、旧F社側経営陣の最大利益を目指す方向性での新規資金調達手段が検討された。

コンサルタントの提案を受けた後日、新会社Fから旧F社社長とK取締役が辞任し、同時に株式会社Rが設立された。

STEP03

リスク予測による新規資金調達

新たに立ち上げられた株式会社Rにおいては、新規資金調達するため、日本政策金融公庫の創業資金貸付と、某自治体の創業支援制度融資の利用が検討された。特にN社長は保証協会のネガティブリストに抵触する可能性が高いため、K取締役が同社の社長になり、借入の申し込みがなされた。借入にあたっては詳細な事業計画書を作成し、無担保で1,500万円の新規資金調達に成功した。

同社の営業については、会社設立以前からの開始していた営業基盤のシフトが好奏し、立上初月よりある程度の売上が計上された。その後継続的な顧客基盤の移譲が進み、立上から6カ月後には単月黒字転換を果たした。
また、当初最大の課題とされた経営のアノミー(規範が緩んだり崩壊し、無規範や無規則など混乱した状態のこと)と責任センターの欠如は、新たな事業母体の設立とそれへの事業譲渡により払拭された。過去の苦い経験を活かし、新生R社では利益責任をベースにした責任センターの構築が随処で徹底されており、順調に成長を続けている。

STEP04

キャッシュフローベース経営を実践中

新会社では現在、キャッシュフローベースの経営を行っており、創業初年度の月次キャッシュフロー黒字転換を見込んでいる。旧会社で資金繰りに苦労し新規資金調達を行った経験を活かし、非常に厳しいキャッシュコントロールを行っている。今後の同社は、キャッシュリッチなバランスシートの実現と、より収益性の高い事業への集中投資を目標としている。

弊社担当者の声より

このお客様の再生は、経営者のリーダーシップと、目標実現へ向けたコミットメントにかかっていた。

このお客様の再生は、社長と社長の右腕の取締役のリーダーシップと、目標実現へ向けたコミットメントにかかっていました。
こちらが提案するスキームは、それを社長が迅速に、かつ勇敢に採用して初めて生きてきました。こちらの新規資金調達の提案を単なるアドバイスとして流さず、しっかりと自分の問題として取り組んだいただけたことが大きい。逆に言うと、勇気を持って意思決定出来ない経営者が、実際には少なくないのです。

 

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