事業資金を銀行から融資してもらう借入ポイント!
事業を拡大する時、十分な資金がなければ思うように事業を進められません。そんな時に頼りになるのが、銀行からの融資です。
銀行融資は、比較的低金利で長期の返済が可能なため、事業資金を調達する手段として大変有利です。しかし、銀行は事業の継続性や成長性、返済能力などを慎重に審査します。つまり、無秩序に申し込んでも簡単に融資は下りません。
そこで、この記事では、初めて銀行に融資を申し込む方にも理解しやすいよう、借入の際のポイントを解説していきます。事業計画書の作成から金利交渉の仕方まで、ステップを追って丁寧に説明しますので、最後までご覧ください。
融資を受けるために知っておくべき基礎知識から具体的な対策まで、バランス良くお伝えしますので、これから事業拡大をしていきたい経営者は必見の内容となっています。融資審査に通過するためのノウハウを理解し、スムーズに事業資金を調達する近道をつかみ取ってください。
事業資金の必要性
事業を営む上で、適切な資金計画を立てることは極めて重要です。特に資金需要が高まるのが、起業時と事業拡大時の2つのタイミングです。
起業時に必要な資金
起業する際には、店舗やオフィスの賃借料、備品や什器の購入費、広告宣伝費など、様々な初期投資が必要になります。さらに、営業活動に入るまでの人件費や運転資金としてかかる経費も忘れてはいけません。自己資金だけでは足りない場合が多く、起業資金の調達が必須となるでしょう。
事業拡大時の運転資金の確保
一旦事業が軌道に乗れば、更なる成長を目指して事業を拡大する機会が訪れます。例えば、新製品の開発や生産ラインの増設、販路の拡大など、事業の度合いに応じて運転資金が不可欠になります。手元の現金だけでは賄いきれない場合、外部から資金を調達する必要があります。
⇒【関連記事】正常運転資金に対して 「短期継続融資」で対応することは何ら問題ありません。
設備投資のための資金調達
生産設備の更新や最新の機器の導入など、設備投資を行う際にもかなりの資金が必要となります。初期投資に加えて、メンテナンス費用なども勘案しなければなりません。大規模な設備投資となれば、数千万から数億円の巨額な資金が求められることもあります。
このように、事業の各ステージで適切な資金計画と調達が欠かせません。自己資金で賄えない場合は、銀行などの外部から融資を受けることで、事業の維持・拡大につなげることができるのです。
銀行融資を受けるメリット
事業資金を調達する手段は様々ありますが、中小企業が最も利用しやすいのが銀行からの融資です。銀行融資には以下のようなメリットがあります。
低金利で資金調達できる
銀行の融資金利は、一般的に消費者金融などに比べて低い水準に設定されています。融資の種類によって異なりますが、年利2~5%程度が相場となっています。長期的に見れば、低金利での資金調達は大きな強みとなります。
長期的な返済が可能
銀行融資の大きな利点は、長期返済が可能な点にあります。返済期間は5年、10年、場合によっては20年以上に及ぶこともあります。事業の先行きが不透明な場合でも、一時的な窮状を乗り越え、ゆとりをもって返済できるメリットがあります。
経営指導を受けられる
融資を受ける際、銀行の担当者から経営全般にわたるアドバイスを受けられることも重要なメリットです。融資審査の過程で、事業計画や経営戦略を詳しく聞かれます。その中で、課題や改善点を指摘してもらえるため、より良い経営に役立てられます。
このように、銀行融資には低金利、長期返済、経営指導といったメリットがあり、事業資金調達の有力な選択肢となっています。一方で、審査に通過する必要があり、一定の条件をクリアする必要があります。次に、その条件と融資を受けるための準備について解説します。
銀行に融資を申し込む前の準備
銀行に融資を申し込む前に、しっかりと準備をしておくことが大切です。審査を通過するためには、事業の内容や資金計画を明確に示す必要があります。特に以下の3点に注力しましょう。
事業計画書の作成
事業計画書は、融資審査で最も重視される書類です。事業の概要、製品・サービスの特徴、市場動向、販路、収支計画などを詳細に記載します。目標達成に向けた戦略や対処方針なども盛り込みましょう。簡潔にわかりやすく書くことが肝心です。
収支計画の立案
収支計画は事業計画書に盛り込まれる重要な項目です。将来の売上高と費用を可能な限り正確に見積もり、資金の計画的な収支を示します。単に予算の数字を並べるのではなく、算出根拠を具体的に説明する必要があります。
必要資金の算出
必要資金の額は、起業費用や運転資金、設備投資費用などを積算して算出します。過剰にも過小にもならないよう、用途を明確にし、可能な限り精度の高い金額を算出するよう心がけましょう。無理な金額を希望すれば、融資が難しくなる可能性があります。
こうした事前準備をしっかりとすれば、銀行の融資審査官に事業の魅力や成長性をアピールでき、審査を通過しやすくなります。逆に準備が雑だと、事業が成り立たないと判断され、融資を断られてしまう恐れがあります。時間はかかりますが、しっかりと準備に取り組むことが何よりも大切なのです。
融資の準備にお困りの方は「無料相談」をご利用下さい。
融資を受けやすい条件
銀行は融資の可否を判断する際、事業の継続性や成長性、返済能力など様々な観点から慎重に審査します。そのため、以下の3つの条件を満たせば、融資を受けやすくなります。
良好な経営実績
創業間もない企業よりも、一定期間の実績があり、安定した経営が可能な企業の方が有利です。決算書を見て、売上や利益の推移、資産状況などを確認します。黒字経営が続いており、財務体質が健全な企業ほど、融資が認められやすくなります。
将来性のある事業
銀行は、単に過去の実績だけでなく、今後の事業の将来性も重視します。市場の成長性、新製品の有望性、優れた技術力など、今後の発展が期待できる事業であれば高い評価を受けます。一方で先行き不透明な事業は、融資を渋られる可能性が高くなります。
十分な担保や保証
融資には一定のリスクが伴うため、銀行は担保や保証を求めます。不動産や設備、また個人保証など、万が一返済できなくなった際の補填となる担保を用意しておく必要があります。担保が不十分な場合は、信用保証協会の保証を活用するのも一案です。
このように、銀行は事業の安全性や継続性を慎重にチェックします。良好な実績、発展余地、担保・保証の3つの条件を満たせば、融資を受けやすくなります。一方で条件を満たせない場合は、融資が下りにくくなるでしょう。そうした事態に備え、別の対策を検討する必要がありますので、その時はエクステンドの「無料相談」をご利用ください。専門コンサルタントが対応させていただきます。
申し込み時に用意するべき書類
銀行に融資を申し込む際には、様々な書類を用意する必要があります。主な提出書類は以下の通りです。
決算書類
最新3期分の決算書類(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)と資金繰り表を用意しましょう。開業間もない場合は準備できる期分で構いません。経営の健全性や資金繰りの状況などがわかる重要書類です。
納税証明書
国税や地方税の完納を証明する納税証明書も必須の書類です。源泉徴収や消費税の未納がないかをチェックされます。債務の返済能力を審査する上で重要な判断材料となります。
登記簿謄本
会社の登記事項を証明する登記簿謄本が必要になります。設立からの沿革や役員構成、資本金の状況などが確認されます。
事業概要書・会社案内
事業内容や組織体制、製品・サービスの概要がわかる資料も求められます。パンフレットやホームページの印刷物などで代用可能です。
その他
その他にも、決算期を超えた最新の月次試算表、担保となる不動産の登記簿謄本、経営者の分身(個人資産・負債の状況)など、銀行から追加で資料の提出を求められる場合があります。
このように多くの書類が必要となるため、事前に漏れのないよう準備しておくことが肝心です。不備があれば融資審査が進まなくなってしまいます。分からない点は銀行に確認し、しっかりと準備をすることが大切です。
融資審査のポイント
銀行は提出された書類を精査し、以下の3点を中心に厳しい審査を行います。
事業の継続性と成長性
何よりも重視されるのが、事業の継続性と今後の成長見込みです。過去の実績だけでなく、今後数年間の事業計画と収支見通しを詳しく分析します。市場の成長性や競争力、今後の販路拡大の可能性なども、審査のポイントになります。
返済能力の有無
返済原資となる キャッシュフローが安定的に確保できるかが大きな判断材料です。決算データから資金繰り状況を確認し、借入金の返済能力を慎重に見極めます。場合によっては経営者個人の資産状況まで精査されることもあります。
経営者の資質
最後に経営者自身の資質が評価されます。経営手腕や経営理念、熱意などが問われます。面接を通じて人となりを判断したり、経歴や実績を確認したりと、多角的な評価が行われます。
このように、銀行の融資審査は厳格に行われます。書類上の数字だけでなく、事業の実態や経営者の人柄まで入念にチェックされます。審査を通過するには、事業の確かな将来性と健全な資金計画、そして経営者の高い資質が必要不可欠なのです。準備万端の上で臨む必要があります。
融資条件の交渉術
銀行から融資の内々定を受けた場合でも、その条件内容については交渉の余地があります。金利、返済期間、担保などについて、自社にとってより有利な条件を引き出すためのポイントをご紹介します。
金利交渉
銀行は最初から優遇金利を提示することはまれです。通常は標準金利が提示されますので、積極的に値下げ交渉をする必要があります。過去の取引実績の良さや、同業他社との金利比較、経営実態の改善点などをアピールし、金利の値下げを要求しましょう。
返済期間の延長
返済期間が短すぎると、毎月の返済負担が重くなり過ぎます。キャッシュフローに見合った適正な返済期間を提案し、長期化を要求することで月々の負担を軽減できます。返済期間が長ければ長いほど、総支払利息は増える点に留意が必要です。
担保の軽減
銀行は高い金額の融資には、不動産や資産の担保を求めてきます。しかし、事業運営に支障をきたすほどの過剰な担保要求であれば、削減を交渉するべきです。一方で、信用力が足りない場合は、信用保証協会の保証付き融資を提案するなどの対応が賢明です。
こうした交渉は、金融機関との長年の付き合いや、コミュニケーション能力が重要になります。交渉の過程では、自社の事業への高い熱意と将来性をアピールすることが肝心です。そうすることで、銀行も前向きに条件交渉に応じてくれるはずです。交渉次第で、大幅な条件改善を引き出せる可能性があります。
融資が下りない時の対処法
万が一、銀行から融資を断られてしまった場合でも、すぐに諦める必要はありません。他にも様々な選択肢があり、以下のような対処方法が考えられます。
他行に申し込む
ある銀行から断られても、他の金融機関にチャレンジする価値は十分にあります。審査基準は銀行によって違うためです。別の銀行で改めて書類を作り直し、申し込みをする手もあります。複数の銀行に同時に申し込んでおくのも賢明な方法でしょう。
信用保証協会の活用
中小企業は信用保証協会の制度を有効に活用することをおすすめします。協会が債務の保証人となることで、融資を受けやすくなります。保証料はかかりますが、担保がない場合にも融資が可能になる重要な選択肢です。
民間金融機関の利用
銀行以外の民間金融機関も視野に入れるべきです。信販会社や政府系金融機関、ベンチャーキャピタルなどから融資を受けることもできます。民間金融機関は審査が比較的ゆるく、スピーディな資金調達が可能です。ただし金利が高めに設定されている点は留意が必要です。
このように、銀行から融資を断られても、他の選択肢を検討する価値は十分にあります。審査の厳しさは金融機関によってまちまちです。諦めずに別の道を模索することが大切なのです。
ただし、融資を断られた原因を見極め、課題解決に努めることも忘れてはなりません。事業計画の改善や経営体質の立て直しなど、不備を解消する努力が欠かせません。そうした上でより有利な融資条件を勝ち取ることが可能になるでしょう。
銀行融資が下りなく困りの方は「無料相談」をご利用下さい。
まとめ
事業を営む上で、適切な資金計画と調達は必須です。起業時や事業拡大時、設備投資の際など、資金需要が高まるタイミングが訪れます。そうした際に頼りになるのが、銀行からの融資です。
銀行融資のメリットは、低金利で長期返済が可能なことです。さらに銀行の経営指導を仰げるのも大きなプラスです。一方で、銀行は事業の継続性や成長性、返済能力を慎重に審査するため、安易に融資は下りません。
そこで重要になるのが、事前の十分な準備です。事業計画書の策定、収支計画の立案、必要資金の算出など、入念な準備作業が不可欠となります。
また、良好な経営実績、将来性のある事業、十分な担保や保証といった条件を満たせば、融資を受けやすくなります。申し込み時には決算書類や納税証明書など、求められる書類を漏れなく用意しましょう。
銀行の審査では、事業の継続性や成長性、返済能力、経営者の資質がポイントとなります。条件次第では、金利の値下げや返済期間の延長、担保の軽減など、有利な交渉も可能です。
万が一、銀行から融資を断られた場合でも、他行への申し込みや信用保証協会の活用、民間金融機関の利用など、様々な選択肢があります。原因を分析し、課題を解決することで、次のチャンスへとつなげられるはずです。
このように、事業資金の銀行融資には、準備から交渉、対処までのステップがあり、注意すべき点が多岐にわたります。しかし、事前の入念な準備と努力により、スムーズに融資を受けられるはずです。このコラムのポイントを押さえれば、きっと一歩を踏み出す指針となるでしょう。
エクステンドでは、経営者からの無料相談を受け付けています。業務改善したい、新たな資金調達を得たいや、返済・資金繰りが厳しいなどのお悩みでしたらお気軽にご相談ください。まずは下記バナーより「無料相談」をご利用ください。