決算内容が悪いと金融機関の対応はどうなるの?
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【質問】
弊社は創業20年を超える3月決算の中小企業です。
ここ数年は業績不振で、昨年は4千万円近い赤字決算となりました。銀行借入残高は2行で7千万円ほどあり、債務超過なので今期は新規借入ができておりません。
問題は、今期も厳しい業績が続き1千万円ほどの赤字決算が見込まれており、給与の遅延や社会保険の支払いもほとんど出来ていない状況です。(社会保険の預り金残高が2千万円ほどあります。)
以前のメルマガにあった「支払いを止める順番」が全く逆になっており、銀行返済だけは一度も遅れることなく支払っています。
社長個人からの借入で資金繰りをまわしていますが、新しい販売アイテムの獲得などでこれからの明るい兆しも見えてきています。
しかし、今期の決算であまりにも悪い結果になったとすると、リスケジュール等の相談に応じてくれないばかりか、貸しはがしなどを行うという可能性も考えられるのでしょうか?
今まで出した経営計画がほとんど予定通りに行っていないこともその不安を大きくしています。(T様)
【回答】
今期の決算が悪くてもすぐさま、その事のみをもって、金融機関がリスケジュールの相談に応じない、貸しはがしを行う等の行動を取ってくる可能性は低いです。
まず、中小企業金融円滑化法が平成25年3月末をもって失効する予定です。この法案が失効すれば、全くリスケが出来ないか?と言われればそうではなく、多くの金融機関が法案終了後も急激な対応変化はないと言ってます。
ただし、金融庁は実現可能性の高い抜本的な経営改善計画を各会社に要求しています。具体的には、売上高と利益で計画値の80%の達成率を要求してます。それ以外にも実態債務超過を10年以内で解消する計画とその実行なども必要となります。
この要求に対応できない企業は、今後、金融機関から厳しい対応(例えば、再度の条件変更に応じてくれない等)の対応が考えられます。
御社で懸念される事項としては、やはり金融機関に提出した計画が達成できていない点にあります。事業計画は、金融機関のために作成しているものではありませんが、現状と将来のあるべき姿をつなぐ道が事業計画ですので、非常に重要なものです。
そのため、まずは、自社の現状を正確に把握し、その上で将来あるべき姿を設定し、そうなるための事業計画とそのアクションプランを作成、実行される事をお勧めします。