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少人数私募債を実行した場合の取引金融機関の受け止め方

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【質問】

質問は「少人数私募債」を実行した場合の取引金融機関の受け止め方です。様々な事情からハネ資金の借入(注:事業で稼ぐキャッシュフローで返済がまかなえずに資金不足となる分を埋める借入)を継続しているため、なかなか長期借入金が減少しません。

 

最たる理由は、いざという時の資金化可能資産の積み立てのため、節税を行っているからですが(半損タイプの生命保険など)、金融機関の長期借入金を減らすため、役員や同族関係者を中心とした少人数私募債を実行した場合、現在の取引金融機関の会社評価やその後の資金調達に何か支障はあるでしょうか。

 

もっとも支払利息は、2%程度に抑えて税務署からの指摘や赤字決算にならないよう調整しながらになりますが、塩漬けの役員借入金や当座貸越などと比べて評価に違いはあるのでしょうか。

 

前期、役員借入金をゼロにすることはできましたが、今後もその状態が継続できるかどうかわかりません。それぞれの優先順位や評価などについて教えて下さい。(W様)

【回答】

少人数私募債の発行そのものが会社の評価に影響を与える事は少ないですが、代表者からの借入金、当座貸越との比較では相違点があります。少人数私募債は、役員や同族関係者を相手に発行したとしても、将来返済することが明らかな債務ですので、金融機関の評価としては、外部借入金の増加ということになり、自己資本相当額とみなすことには問題があります。(金融検査マニュアル別冊:事例1の3参照)

 

他方、代表者からの借入金については、一定の要件のもとで、自己資本相当と考える事が可能です。(金融検査マニュアル別冊:事例1の2参照)

 

よって、両者を比較すると代表者からの借入金の方が自己資本の額が多いと評価される可能性があるため、代表者借入金の方が金融機関からの評価は良いです。

 

一部には「金融機関以外からの外部資金調達が可能な会社である点を、金融機関が高く評価する」との記載も散見されますが、少人数私募債の実態は、あくまでも複数人からの借入金ですので、金融機関からマイナス評価を受けている会社も多い点はご留意ください。

 

また、当座貸越については、金融機関からの借入ですので、他の借入金同様に評価されます。ただし、一般的には当座貸越は、その実行に高い信用力を必要としますので、その点においては当座貸越の方が評価が高いです。よって、代表者借入⇒当座貸越⇒少人数私募債の順で評価が高いということになります。

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