取り消された融資の提案
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【質問】
私は社員数8名の小さな会社の経理を担当しています。銀行との初期の交渉は私がしております。決算月は3月で毎年決算書は取引銀行に提出しています。
6年前から取引させていただいている大手都市銀行があるのですが、現在融資残高 約700万円で、3月の決算書と直近月までの試算表を提出後、新たに2,000万円(純増1,300万円)の融資の提案がありました。(提案書面あり)
しかし、3日後、担当者より電話があり「先日の件は忘れてください。また電話します」とのことでしたが1ヶ月たっても連絡はありません。
そこでお聞きしたいのですが、
1.なぜ決算書、試算表を提出した後の提案だったのにもかかわらず
この様なことになったのでしょう?
2.提案後の3日間で融資を受けるべく準備をしていた場合、
大幅に予定が狂うことになりますが、道義的責任等は追及できますか?
(U様)
【回答】
1.なぜ決算書、試算表を提出した後の提案だったのにもかかわらず
この様なことになったのでしょう?
実際の理由は当事者しか知り得ませんが、考えられる理由としては、
- 担当者が御社の決算書、試算表の内容を誤認し、御社の企業内容を正しく評価していなかった。
- 当初は、何らかの制度融資、保証制度の適用を受けれると考えていたが、詳細を確認すると適用が受けれない事が判明した。
などが考えられます。
2.提案後の3日間で融資を受けるべく準備をしていた場合、大幅に予定が
狂うことになりますが、道義的責任等は追及できますか?
金融機関に説明責任を追及する事は可能と思われますが、それ以上の責任追及は困難と考えられます。
まず、今回の件に、いわゆる融資予約(=融資を実行するかどうかの決定権者の決裁を得ていないにも関わらず、融資が必ず実行されるかのような外観を創出し、融資の実行を約束すること。)が成立するかどうかを判断する事になります。
仮に融資予約が成立すると認められれば、約束とおりの融資を金融機関に求める事ができます。
ここで、融資予約が成立しているかどうかの判断基準としては、
- 金融機関が、融資証明書等を発行しているかどうか?
- 金融機関から提出された書類に融資の決定権限者の書名、押印等があるかどうか?
- 担当者が、会社に説明した内容はどういうものか?
等々があげられます。ここで、頂きましたメールでの情報では、全てを判断する事はできませんが、過去の判例等を見る限り、今回融資予約の成立を肯定する事は困難と思われます。
ただ、金融機関からの提案書面もあり、かつ担当者が「先日の件は忘れてください。また、電話します」と言ってるにも関わらず、連絡がないのですから、当該内容について、金融機関は十分な説明義務を果たしているとは言えません。
よって、金融機関に対して、今回の一連の説明を求める事は可能かと考えられます。
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