安全な経営のために必要な現金預金の蓄え方
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【質問】
私は父の会社を継いでまだ1年目ですが、父の時代は経営計画なんぞというものは一切なく、何となく仕事して、何となく決算書を作ってみたら何となく、利益がいくら出ていただとか、いくら赤字だったとかそんな感じでしたので、今後はできれば、前年度末のうちに来季の固定費と銀行への返済財源、欲しい利益を最初から決めて、売上と粗利額の目標を作り、経営していきたいと考えています。
現況では毎月の銀行返済が売上の8%程度あります。ついては欲しい利益の決め方がよくわかりません。
当メルマガなどでは、会社としては最低、月商の数カ月分以上の資金的余裕が必要ということがよく言われますが、仮に売上の10%の経常利益が取れたとしても、そこから税金や諸々をを引いて残ったもので月商の6カ月分の預金を蓄えるとなると、年間売上の50%分ですから、10年くらいはかかることになってしまいます。
10年経営して、こんな程度しか貯蓄できないのか・・・とも思えますし、このくらいあれば充分だろうと考えることもできますし、いったいどんなもんなんでしょうか?
実際には毎年経常利益を10%づつ積み重ねるのだって容易ではありません。欲しい利益を先に決めてから売上や粗利額の目標を決めるとなると、その利益の決め方次第で経営が大きく変わります。経営者としての経験が浅いのでその辺のよりどころとなる基準がよくわかりません。参考にできる考え方がございましたら教えてください。(S様)
【回答】
資金繰り的に安全な経営のために、年間を通じて一番現金預金が少ない時でも、最低月商の1か月分、できれば2か月分、理想は3か月分の現金預金がある状態にしておきたいところです。
それだけの現金預金を保有するためには、
1.借入
2.利益を出して現金を稼ぐ
という方法がありますが、2で現金を増やしていくのが理想です。ただやはり多くの企業は、1の方法で手元現金預金を増やしていかなければならないことでしょう。
一定の利益を目指すには、やはり「ほしい利益」を決め、次に「かかる経費」を決めると、必要な粗利益が出てきて、その粗利益を稼ぐにはどれだけの売上が必要であり、どれだけの原価がかかるか、というところを計算し、経営計画を立てます。
そうすると必要な売上高が導きだされるため、その売上を立てるにはどのように新規客を集客したり、どのように既存客から売上を上げるか、を考えていくことになります。また銀行返済があるわけですから、実際は「ほしい利益」を決めてその利益を稼げば現金預金がたまっていくわけではなく、円滑に銀行から借入を定期的に行っていくことも合わせて必要となってきます。
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