役員借入金を短期借入金・長期借入金どちらで計上するか
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【質問】
役員借入金の勘定項目について質問です。
弊社では年商の3分の1強の長期借入金(証書貸付)と役員借入金があります。
現在はその役員借入金をすべて短期借入金に計上しています。最近、当座貸越を依頼した金融機関に現在の問題点を確認したところ固定長期適合率(固定資産÷(純資産+固定負債))に問題があると言われました。
毎期、決算明け早々にいずれかの金融機関でハネ資金(※企業が事業で稼ぐ現金内では返済をまかなえずに資金が減少していくため、それをまかなうための融資のこと)を証書貸付で借入し、一年間返済して、期末近くに資金ショートすると役員借入金で補うという繰り返しです。(その後証書貸付の借入金入金後に役員借入金は一部戻しています。)
これまで、長らく短期借入金で処理してきましたので、勘定科目の変更は唐突の様な気がしますし、他の金融機関の手前もあります。実態に即せば、長期借入金化しているものも(金額では数千万になっています。)あります。
指標改善のためには良いかとも思いますが、変更理由がしっくりしません。
基本的な考え方は「実態に即して」ということになると思いますが、そうなると同じ役員借入金でも短期と長期に分かれて奇異にも感じます。他に何を念頭に判断すればよいか教えて下さい。(K様)
【回答】
短期借入金で計上されている役員借入金を長期借入金の箇所に変更すると、長期借入金は固定負債の一つのため、その金額が増え固定負債が大きくなるため、固定長期適合率は低くなり(低い方が良い指標です)、銀行があなたの会社に付けている信用格付は上がることでしょう。
役員借入金を、短期借入金から長期借入金に変更して問題ありません。
銀行に理由を聞かれたら、「1年以内に会社から役員に返済するつもりのない借入金だから、実態に合わせて長期借入金の箇所に変更した」、とでも言っておけばよいでしょう。
役員借入金の会計処理において、返済期限は重要な要素となります。一般的に、1年以内に返済予定の借入金は「短期借入金」として、1年を超える返済期間の借入金は「長期借入金」として計上します。
借入を行った際には、この返済期限に基づいて適切な勘定科目を選択する必要があります。具体的には、1年以内に返済期日が到来する場合は「短期借入金」、1年以上先の返済期日の場合は「長期借入金」として処理します。
役員借入金の特徴として、返済期日や利息を柔軟に設定できる点が挙げられます。この性質から、多くの企業が決算書上で短期借入金として計上しているケースが見受けられます。しかしながら、実際には1年以内に返済されることは稀であり、原則として長期借入金での計上がより適切といえるでしょう。
なお、会計上の分類としては、短期借入金は流動負債に、長期借入金は固定負債に含まれます。この分類は財務諸表の作成や分析において重要な意味を持ちます。
このように、役員借入金の会計処理には細心の注意を払い、その実態に即した適切な計上を心がけることが大切です。
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