信用保証協会の代位弁済されたことは対外的に知られる?
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【質問】
代位弁済を実行されることで、会社に不利益なことはあるのでしょうか?私は経営者ではなく、間接部門(総務・人事・経理)のマネージャーです。
昨年5月よりリスケジュールを始めました。1年間、元金返済はゼロ、利息のみ支払う、という形で契約してもらいました。
負債総額は2億6千万。うち2億が信用保証協会の保証付融資です。
間もなく1年が経過するため、5月から元金の返済を再開しなければならないのですが、残念ながら計画通りに収益性を改善させることができておりません。
そのため、銀行と再度交渉し、元金の返済をさらに1年間先送りにしていただく方向で話を進めています。
銀行側は、「少しでも構わないので、利息のみでなく、元金返済を再開して欲しい」という言い方をしてきています。
交渉は社長が行っておりますが、なんとなく、銀行のペースで話が進んでいるように見えます。銀行との話し合いで、常に押され気味になっている理由として、社長が「代位弁済」を極度に恐れていることがあります。
恐れる理由は、「信用の低下」です。
代位弁済となると、銀行側として当社への融資を「事故扱い」すること、と認識しております。(社長の認識も同じです)事故扱いとなった事実が得意先に知られてしまった場合、取引停止になってしまうのではないか。社長が恐れているのはそのことです。
個人的には、代位弁済が行われたとしても、
- 金融機関側に守秘義務があり、「事故扱い」となった事実が得意先に知られるリスクは少ない。
- 借入金の返済先が銀行から信用保証協会に変わるだけで、代位弁済自体は当社にとってマイナスではない。
と認識しておりますが、いかがでしょうか。(D様)
【回答】
多くの経営者から受ける質問はまさに
「保証協会の代位弁済を行ったら、対外的に情報がまわってしまい、得意先との取引等に悪影響が出てしまうのではないか。」
ということです。
しかし代位弁済を行っても、それは金融機関内部においては、事故という呼ばれ方をしますが、それと対外的に知られることは全く別の話です。
金融機関には守秘義務があり、それが得意先に知られることはありません。(その情報が金融機関から漏れることがあったら、金融庁を巻き込んだ大きな問題になることでしょう。)
また代位弁済後は、債権者は銀行から信用保証協会に変わります。
銀行でリスケジュールを行っているうちは元金返済は大きく抑えても、利息全部と保証料は支払わなければなりませんが、代位弁済後は元金・利息をトータルで考え、返済能力によっていくらずつ返済していくか、という話になりますので、支払いはだいぶ楽になるのが通常です。
【補足質問】
補足質問させて頂きたくご連絡差し上げました。
同質問内容にて、保証協会の代位弁済は対外的に知られることがない、とのことですが、代表資産や社有資産を担保にした形で金融機関から借入を実行した後、保証協会による代位弁済が行われ、それを原因とした担保の移行があった場合はどうなのでしょうか。
また、裁判所における信用保証協会を原告に発生する求償金事件があった場合(代位弁済後の保証協会への返済が滞った場合など)は、対外的に全く知られることはないと思いますが、いかがでしょうか?(D様)
【回答】
確かに3月19日号記事を執筆するにおいて、金融機関が情報を漏らす以外で情報が漏れる可能性のこと、不動産担保が入っている場合のこと、を想定していませんでした。
配慮が足らず申し訳ございませんでした。
この場合、根抵当権の確定(極度方式である根抵当権の金額が一定金額に確定されること)、銀行が担保権者であった場合の保証協会への(根)抵当権移転など、不動産登記簿になんらかの痕跡が残ることになります。
金融機関からは代位弁済の情報は漏れなくても、取引先に不動産登記簿を見られて、なんらかの異変を分かられてしまうことは、このようなケースでありえます。
この場合、はたして取引先が、その会社の不動産登記簿まで逐一チェックしているかどうかですが、よほど与信管理体制が整備されているところでなければ、取引の途中で不動産登記を調査するなど、なかなかないでしょう。
そこまで警戒して、代位弁済をおそれて銀行の言うとおりにしてしまうのか。
3月19日号の質問者の方は、リスケジュールの更新交渉において、代位弁済をおそれるあまり、銀行の言うとおりに元金返済を一部再開されようとしていますが、現在利益が回復していないのに無理に一部でも元金返済を再開するのは、すぐに資金が不足してなんともならない状態になってしまう可能性を高めてしまうので、3月19日号の質問者の方は、代位弁済をおそれず、銀行とリスケジュール更新交渉を行うべきです。
また裁判所で調査されるかどうかの件も同じです。
はたして、裁判所で裁判が起こっていることまで調査してくる取引先がはたしてどれだけあるか、しかもこの場合は代位弁済後の保証協会への返済も滞った場合です。バランスを考えた行動をしていきたいところです。
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