返済金額の増額を要請された
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【質問】
平成22年に借入した7億円の返済を、5年程前から毎月の返済額を減額してもらいました。(現在、年間元利含めて3千万弱の返済です)
しかし、ここ3期連続で黒字+売上高が伸びてきたということで、年間返済額を約2倍の元利含め6千万の返済を要請されました。
改善計画書を持参して、とのことでしたので、作成後お話したのですが、6千万の返済は難しいのが本音です。
というのは、銀行は当期利益+減価償却費が6千万以上あるから、キャッシュがあるはずだ!と言うのですが、実際はそのキャッシュから税金納付、固定資産計上分の資産購入費、現在の借入返済があるため、キャッシュは年5百万しか増えません。(新たな設備投資をしないと売上の増加はおろか、現状維持も難しいので、資産購入は必須です。)
以上の事をキャッシュフロー計算書を持参し説明したのですが、計算書の見方が良くわかっていないようで、「?」の態度でした。(キャッシュフロー計算書の勉強不足の為・・とか言ってました)5百万は増えるので、既存の返済額に5百万を上乗せするのは可能だとお話したのですが、強行な態度で「このままですと、この融資の件は難しいので採るべき方法は採りかねない」と話していました。
ということは、担保資産の売却をして回収に移るという意味なのでしょうか?
当社は開業80年以上のいわゆる老舗なのですが、売上も順調に伸び、利益もだしています。
お客様にも長年親しんでいただいており、現在も前期比+7%程の売上を維持しているのですが・・・。
ただ、過去の減価償却不足があり、決算書上は債務超過ではありませんが、実質的には売却しても減価償却不足があるため4億程の負債が残ることになると思います。
(ちなみに業種上、減価償却は長期になり金額も高額になり、税務上の償却限度額は年1億円ほどです。)
また、過去の減額申請があるため、要注意先の管理債権にされているのでしょうか?
このような状況でも担保物件売却で、倒産させても回収にはしるのでしょうか?銀行との話し合いから3週間たちますが連絡はありません。(S・H様 37歳)
【回答】
銀行が融資返済の根拠として、当期利益+減価償却費のキャッシュフローを持ち出してくることはよくあることです。
しかし、キャッシュフロー計算書は、勉強していない銀行員には本当に分からないです。今時キャッシュフロー決算書を勉強していない銀行員はプロとして失格です。
これからは当期利益+減価償却費のキャッシュフローより、キャッシュフロー計算書上で導き出されるキャッシュフロー(フリーキャッシュフロー)を融資返済の根拠として重視するべきだと思うのですが、現時点では、銀行は古い体質があるので、当期利益+減価償却費のキャッシュフローを重視しています。
あなたの会社は、毎月の返済金額を少なくするとき、そのことをうたった変更契約書を銀行と交わしたはずだと思います。その契約書では、担保権の行使は、延滞等をしないかぎりは銀行は実行できないとなっているはずです。
「採るべき方法は採りかねない」という言葉は、単なる脅しのような気もします。
まずは、あなたの会社は銀行とじっくり話し合うべきでしょう。
なお、あなたの会社は、毎月返済金額が減額となっているため、その融資は「貸出条件緩和債権」に該当し、銀行の自己査定によるあなたの会社の債務者区分は、要注意先の中の要管理先、もしくは破綻懸念先になっていると推察されます。
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