人材派遣会社の資金繰り
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【質問】
現在は一昨年の業績に対し売上が8割減という状況です。前年の中間消費税の支払も還付金との差引で残り70万円程になりましたが社会保険料が払えず累計滞納が200万円を超えています。
今回、取引銀行にセーフティネットでの融資を申し込みましたが断られました。というのも・・・実は平成14年に私自身と妻は自己破産しておりそれが融資不可の理由でした。
平成16年に会社を立ち上げられたのは出資者がいたからです。(今はその方には頼れない状況です。)銀行等で融資可能な方法はあるのでしょうか?(M様)
【回答】
そもそも人材派遣業は、売上が大きくなればなるほど、売掛金がふくらんでいき、一方で売上原価である派遣社員への給与は売掛金より先払いのため、運転資金の調達が必要となる業種です。
文面から、現在の会社において融資を申し込むのは初めてのように見受けられるのですが、今まで5年間、無借金で、はじめの出資金だけで、資金をまわすことができたのでしょうか。
それであれば、売上が減少したら逆に運転資金の調達の必要がなくなる、ということになりますが、それでも資金不足ということでしたら、おそらく、
- 営業社員や事務社員(派遣社員ではない)への人件費が負担になっている。
- 派遣先からいただく派遣料の単価を低くしすぎていて、一方で派遣社員に対し、あなたの会社が支払う社会保険料や交通費、残業代がかさみ、派遣による利益がほとんど出ていないか、もしくは赤字になってしまっていた。(社会保険料の滞納は、派遣社員の社会保険料の滞納のことではないでしょうか。それであれば、派遣料を低くしすぎていて、社会保険料までまかない切れていなかったことが考えられます。)
- 特定派遣ではなく一般派遣であれば、派遣社員が派遣先に行っていない間でもその派遣社員に給与の支払いが発生するが、それが赤字垂れ流しの原因になってしまっている。
など、資金不足、引いては事業赤字の要因がいくつか重なっていることが考えられます。その赤字の解消は、借入金で補うことは考えてはならないし、このような赤字補てんの融資を行う金融機関はありません。
社会保険料の分轄支払いは社会保険事務所と交渉できるので、現状で上記で例に挙げたような赤字の原因をすぐにでも解消し、少しでも利益が出るようにするにはどうすればよいか、それを考えるべきではないでしょうか。
営業社員、事務社員の削減、派遣先への見積り方法の見直しなど、すぐに手を付けなければならないことはいっぱいあるように思われます。
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