経営の仕組みを作るプロセスが必要
前回のコラムでは、これまでの資産承継を中心とした事業承継の考え方から経営を承継する経営承継を提唱しました。前回でもお伝えしたように高い可能性で事業承継税制の概要が拡充するお話をしました。
端的に言うと、承継時の株式贈与・相続に対する納税が大幅に猶予されると言ったところでしょうか。
これは、加速する廃業を防ぐ為の施策といえますが、経営者側の観点からみると相続対策にかける時間を大幅に短縮できるともいえます。
この大幅に短縮できる時間を使って、会社経営が継続・発展していく為の本来着手するべき「経営承継」を中小企業支援する立場として提唱します。
「経営承継」の定義について
それでは、「経営承継」の定義について述べてみたいと思います。小生が考える「経営承継」とは、
「創業者型経営」から「経営者型経営」への脱皮、誕生
といったところでしょうか。そもそも創業者の経営は、無意識のうちにそれまでの経験値を経て経営判断を行い、会社を継続・発展させてきたものであり、これは外部からみると明確に認識できない経営プロセスの仕組みであると言えます。
しかし、承継する後継者にはそもそもこのような能力を備えておらず、否応なしに創業者の経営判断を明文化し識別することが出来る経営の仕組みを作るプロセスが必要になるわけです。
経営承継では、このプロセスを創造していくことが、「属人経営」から「組織経営」に繋がり、「創業型経営」から「経営型経営」を誕生させると言えます。
執筆:沖原 厚則
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