創業社長が作り上げた商売観を養う
前回のコラムで株式の承継では、何も変わらないとお伝えしました。私もMBOを経て会社を引き継ぎましたが、株式を引き受けても何も変わらないのが現実です。
その意味では、会社を継ぐには巷で言われているように十分な準備期間がいることを痛感させられています。資産承継も当然大事なことは言うまでもありませんが、次世代に承継されて大切なことは、
会社経営が継続・発展していく
ことにあるのです。これが今の時代ではなかなか難しい時代になってきています。
- 簡単にモノやサービスが売れない
- 新しい物やサービスが次々を現れる
- 購買者の「飽きる」サイクルが早くなっている
こんな市場環境で株式だけ引き継いでも上手くいくはずがそもそもないのです。では、この市場環境で承継した会社が継続・発展していく為に重要なことは一体何なのでしょか!?
それは・・・
創業社長の商売観を養う
よく世間では2代目3代目で終わるといわれますが、これは創業社長が作り上げた商売に対する、考え方や思いを「明文化」したものが承継できていないことに尽きます。
創業社長の「商売観」が引き継ぎ不足なのです。
今後は、創業社長の商売センス、経営の在り方、目利きを時代に合わせた形で「明文化」していかないといけません。後継者は創業者の「商売観」を徹底的に養わないといけません。創業者は養う環境を整えてあげないといけません。
計画や仕組み化のよりも中小企業には重要だと考えます。武道の「守・破・離」の近いかもしれませんね。
今、世間では事業承継(株式承継)がトレンドになっていますが、先行き不透明な中、親族内承継するにしても、親族外承継(M&A)するにしても、今までの「事業承継」という考え方から「経営承継」に変えていく必要があると考えます。
執筆:沖原 厚則
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