事業承継税制の拡充された内容について
前社からMBOを通じて代表になってから2年が経過しましたが最近少しずつ経営者の気持ちが分かるようになってきました。
現在54歳になり、後働いても10年ぐらいかなぁと考えてみれば、新しい事業への挑戦と共に、社員の誰がこの会社を継いでくれるのか、また継がせるべきなのかも同時に考えなければならない事に多少の焦りを感じています。
さて、ここにきて事業承継税制が大幅に変わろうとしています。これは国家企画とも言うべき、中小企業の廃業をなくすための防止策と言えるでしょう。今回、具体的に内容に触れていきます。
事業承継をする際の贈与税・相続税の納税を猶予するというものであり、今後5年以内に承継計画を提出し、10年以内に承継を行う者を対象とする抜本的な拡充と言えます。
事業承継税制の拡充された4点
- 承継時の税負担が相続税約53%猶予から100%猶予
- 雇用要件が現行では承継後5年間の平均雇用8割を維持できなかった場合は、猶予された税額を全額納付する必要があったが、実質撤廃になり納税猶予を継続
- 対象者の拡大として1人の先代経営者から1人の後継者のみであるが、親族外を含む複数の株主から最大3人の後継者へ承継が可能
- 後継者が売却・廃業する場合、承継時の株価を基に納税額を算定し納税する必要があったが、売却・廃業時の株価をベースに納税額を再計算し承継時の価格との差額を減免する減免制度の創設
後継者有り若しくはその候補者がいる経営者にとって、この制度はある意味有りがたい制度になる事でしょう。では一般的に言われている事業承継とは何でしょうか。実際は株式の承継がメインになっているのです。
つまり、
「事業承継=資産承継」
がメインになっていると言えます。かつては、多くの会計事務所がこの内容でセミナーを開催していました。しかし、「事業承継に本当に大切なことは何か」と問いかければ株式を保有しただけで社長業が務まる、という楽な話ではありません。
私もMBO経て会社を継ぎましたが、株式の引き受けでは何も変わらないのが現実です。私も最近痛感しておりますが、経営をどのように継いでいけばいいのか次回はその話について、言及していこうと思います。
執筆:沖原 厚則
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