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銀行にもリストラの風が吹く

三菱UFJフィナンシャル・グループは7/31、全国の地方銀行やグループ32と業務提携し、決済のキャッシュレス化やロボット・AIの利用による業務の効率化に取り組むことを発表しました。

 

手形や振込みよりも低コストで素早い資金決済処理ができる仕組みの構築は、ある意味ビットコインのような仮想通貨の発展に対する対抗ともとれますが、情報通信技術の発達に金融業界も晒されていることの表れなのでしょう。

 

なんでも、同グループでは、独自の仮想通貨を発行する計画すら存在する模様です。

 

確かに、手形や現金の取扱いは銀行にとっては手間暇をとるのが正直なところですし、企業にとっても手形発行代や印紙代がコストとなりますから、新しい技術の導入により徐々に取扱いが少なくなっていくものなのでしょう。しかし、トピックはこれだけではありません。

メガバンクはリストラ計画をもっている

預金や振込みはインターネットの利用により自動化が進み融資も審査がAI化されることが予想される中、三菱UFJフィナンシャル・グループにおいては、今後10年間で約1万人の人員削減が計画されているとの報道がされています。

 

三井住友銀行でも、中期経営計画にて約4000名の人員削減策を発表しています。

 

それぞれ、今のところは自然減や配置転換によって、という但し書きはついていますが、みずほ銀行も含めてメガバンクは既にフィンテックによるコストカット=人員減少を折り込んでいるのです。

地域金融機関はこれから、でも苛烈?

地方銀行や信金・信組といった地域金融機関においては、大規模なリストラの話は大きく聞こえてきません。しかし…、メガバンクよりも体力・収益性に乏しい地域金融機関はリストラや人員削減が、より必要なのは言うまでもありません。また、金融庁も無理やりにでも各金融機関を救おうとは思っていないことは、これまでも本メルマガで触れてきた通りです。

 

再生し、今後ともに成長を願う企業に求められるものは厳しさを増していますが、銀行(地域金融機関)も、同じように厳しい経営が求められます。

銀行交渉は、より冷静に

銀行の現場においても、自らのクビを賭けた業務運営というものが発生するでしょう。
私の経験上では…、東京相和銀行が破綻(1999年)した際、その直前に同行とお付き合いのある企業経営者から

 

「(東京相和から)金利を倍にするから預金をもってきてくれと頼まれた」
「(同じく)有無を言わさず融資を返済してくれと強要された」

 

等など、かなりひっ迫したご相談を多く受けたことが思い出されます。

 

追い詰められた銀行は、随分と乱暴なことをするものです。自分自身の処遇や雇用に直結してしまうのですからなりふり構っていられなくなるのが現実。

 

経営者は、銀行の要請や依頼を冷静に判断しなくてはなりませんが…あくまで、自社にとってメリットがあるかどうかで判断していただければ。根本的には、いち早く「銀行を選べる」状況にもっていくことが一番であることは、言うまでもありません。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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