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銀行借り入れは資金繰りに困ってからでは出ない!?

とある会社さんとの顧問契約をスタートさせていただくのですが、その会社はここ数年は毎年売上が3割以上伸び続けていて利益も相応な水準ではあるのですが、現預金が一向に増えていない状況です。

 

売上が増えているのに、現預金が増えていないということは事業規模・資産規模からの比率としては現預金の率は減少しているわけですから、不測の事態になった際には資金ショートする危険性は増大する一方、ともいえます。

 

いわゆる、黒字倒産が自社でも起こるかも?と懸念する社長が、弊社にお声かけをされたということですが、社長にとっても、さらなる事業拡大に際しては社長自身の役割も変わっていく節目となります。財務・資金面から、社長や会社、社員さん等が適切に成長していけますように、お手伝いしてまいります。

 

銀行からのお金の借り方も、今までは言われたままにやっていた結果、ちょっともったいないことになっていますので、これからは、もっと上手にできることでしょう。

 

お金のある・なしと業績は関係なかったりする

業績が順調に伸びれば新たな運転資金が発生します
業績が残念ながら下がってしまえば、赤字から資金が流出します。

 

どちらに転がっても、現預金が増えない、中小企業ではよくあることです。

 

上記の会社では前者の状況ですが、

 

・銀行からの借入れが長期に偏っており、毎月の返済がきつい

 

・利益を出して税金を納付するのを避けすぎて、純資産が残っていなさ過ぎる

 

・売上が増えるのが分かっていても、資金の確保が後手に回っていることから、「銀行から借りるのに失敗したら、そこで終わり」という状況になっている

 

わけです。
正しい借り方で、事前に確保することが必要であり、経営の安心に繋がります。

 

私としては、1年以内に、ここ3年間同水準の現預金を3倍にさせていただこうかと計画しています。
また…、来年の決算後には社員旅行にでも行っていただこうかと。楽しい目標がある方が、いいに決まってますから(社員さんはハワイ希望と伺いました)。

 

資金は事前に確保しておくもの

 

正直なところ、皆様ご存知のこととは思いますが「融資は困ってからではでない」のです。

 

資金は事前に確保し、融資が必要ならばその時点でいただいておいて、「業績が伸びれば銀行は、その時必ず貸してくれる」と思わないことが肝心です。作法もあれば、マナーもあるのですから。

 

一方、業績が低迷しているけれど、融資が要るというのなら改善実績を示しつつ、今後の動向を銀行に納得してもらうこと、そのために何のお金がどれだけ必要で返済はどのように行われるのか、現実性のある説明が求められるのは言うまでもありません。

 

融資の作法・マナーって?

融資の作法・マナーというのは、経営者側では気持ちがいいかどうかというのはありますが、率直に申し上げれば

 

・困ってから「今すぐ」は難しい
・事前に積み上げた実績や信頼によって可能になる
・融資にとって必要な情報

 

(資金使途や返済原資といった融資に関する情報や試算表や資金繰り表といった財務資料や事業や社長自身の概要や強みなどの定性情報を、銀行がびっくりするくらいの内容で即時に提出できる)

 

ことではないかと考えます。

 

これらの各項目については、また折をみて解説したいと思いますが、結局のところは「自社や経営者自身の将来性・成長性を、いかにしてアピールするか」ということに尽きます。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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