コラム

  1. ホーム
  2. > コラム
  3. > 銀行とのつきあい方
  4. > 融資担当者 VS AI審査が凄い勢いでやってきた

融資担当者 VS AI審査が凄い勢いでやってきた

正直なところ、事業性評価をはじめとした新制度が完全に浸透するには2~3年かかるのでは、と考えています。しかし、「浸透しない」とは考えていません。やらなければ、日本経済の未来はない、という問題意識が金融庁にとっても非常に強いことが根拠ですが、

 

平成10年に金融検査マニュアルに基づいた、貸し渋りすら起こり公的資金の金融機関注入に至った大変革のときも「出来るわけがない」と言われながらも、数年もかからず定着したのです。

 

真に進む改革の定着は、時間の問題なだけなのでしょう。今回は、そんな金融の大改革の、現場でのテーマです。

融資担当者 VS AI審査が、凄い勢いでやってきた

以前、本メルマガでもフィンテックや、AI融資に関するテーマを採り上げました。AIによる審査というのは…、大量のデータを瞬時に分析できる人間には不可能な武器をもっており、「現在の」大半の融資担当者より既にはるかに優秀なのでは、という大きなポテンシャルがあります。

 

※ついでに言えば、大半のコンサルタントよりも優秀なポテンシャルとも言えます。

 

昨年、ジャパンネット銀行によるAI審査融資のニュースが流れましたが、日本経済新聞記事(4/13付)によると「横浜銀行や千葉銀行など地方銀行・グループ4社は、2018年から、人工知能(AI)を活用した融資をはじめる」システムは中小企業向け会計ソフト大手の弥生が開発、山口フィナンシャルグループや福岡銀行も採用するとのこと。

 

あっという間に、ネットバンクによる全く新しい切り口、から従前の銀行の融資審査に取り入れられるところに迄来てしまいました。

審査の仕組みは基本同じ、中身は違う

会計情報から審査をする、という点では同じこととは言え、これまでの決算書や試算表といった「結果の数値」を元に審査するものとは大きく異なり、

 

(一部未確認の推測も混じりますが)
・会計ソフト「弥生」の仕分けデータ、つまりは総勘定元帳
・取引先との決済情報、つまりは預金の入出金明細や通帳データ

 

を2~3年分に渡り分析、「継続的な売上先・売上高の存在」「使途不明金などを差引いた評価」を行うことで融資の可否や条件を決めていくものになると思われます。

 

仕分けデータや入出金データといった、プロセスのデータに至るまで瞬時に判断されるわけです。最近流行りの言葉でいうなら「ビッグデータの活用」というものですね。

指標に頼った判断をするなら、人に勝ち目はない

決算書などの「結果」のみならず一つ一つのプロセスから評価・判断でき計算に間違いがないAIは、数的な指標を根拠とする審査をする限り、人である融資担当者に勝ち目はありません。

 

当初は融資金額で数百万円、金利は5%~10%となるようですが今後より大規模に、低金利となっていく構想であり使い勝手のよさでは既存の融資をはるかに上回る余地があります。

 

銀行員も「人の価値」が問われることになりました。

企業対応は

銀行員にとっても大変な流れですが、企業にとっても他人事とばかりはできません。

 

会計仕分けや出入金データも評価される以上、普段の会計処理や資金の移動にも適正さや妥当性が問われるのです。会計操作や粉飾は、ほぼ見破られることになるでしょう。

 

普段の正しい活動が、融資に近づく最大の武器になるのです。これまでの融資ノウハウが、塗り変わる日がいよいよ来ました。

 

私共も、乗り遅れてしまわないように機械の早さ・正確さに劣らない判断と情報力を、追求してまいります。

 

最新のコラムやQ&A、ニュースレターは、無料メルマガ「銀行とのつきあい方」でお届けしております。銀行の動向、資金調達、資金繰り改善、補助金、経営改善、スモールM&A等に関する情報を取得いただけます。下記のバナーよりご登録ください!

この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

新商品のご案内

実際にエクステンドで手がけた
再生事例を紹介!

 

・資金繰り改善・資金調達
・業務改善・粉飾決算
・M&Aなど

→ 詳細・ご購入はこちら
金融機関紹介実績No1
支援機関
contents
  • 事業再生
  • M&A
  • よくある質問
  • 実際の事例集
  • オンラインショップ
  • 会社概要

一人で悩む経営者へ
後悔しない決断を一緒に見つけましょう