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新金融制度、銀行は活用する?しない?

昨年より導入された制度が本格稼働する今年、本メルマガの読者の皆様には銀行の新たな常識を正しく理解して、不要な不利を受けることがありませんように!

新金融制度、銀行は活用する?しない?

取組みを行う銀行、まだ姿が見えない銀行、新制度の活用に及び腰な銀行…少しずつ、銀行ごとの差・違いが出始めたことは昨今の報道からも、弊社のコンサル現場においても明らかになりつつあります。

 

前回のメルマガでも広島銀行をはじめとした新たな取組みに触れましたが、1/19には日経において静岡銀行が事情性評価の取組みを強化することを明らかにしました。

 

弊社でも、

 

  • 中小企業等経営強化法
  • ローカルベンチマーク
  • 金融仲介機能のベンチマーク
  • 事業性評価
  • ライフステージ

 

など、これまで本メルマガでも触れてきたことをより詳しく、直接教えてほしい、というご依頼をいただき各種セミナーの形でお伝えさせていただくことも増えています。

 

そこで、よくいただくご質問。

 

「本当に、銀行はこれらの新制度を使って担保や保証に依存しない融資を行うのでしょうか?」

「新制度は、銀行にとってあまりにも受入れ難いものではないでしょうか?」

変わる、変える、というのはとてもつらい

確かに、平成29年1月現在では、銀行の現場担当者もこれら新制度に対して否定的な方が、まだまだ多いことは否めません。これまで20年以上に渡って普通にこなしてきたことを別のものに置き換えるのは、誰だって、どんなお仕事でだった簡単にはできません。

 

一方、新制度は中小企業側に求めているものも多く自らの事業の持続的な成長性を証明、とまでは言わなくとも相応の決意と根拠をもって開示、アピールしなくてはなりません。申込だけすれば、誰でも使える、というものではないのですから。

やらなければ、銀行も未来はない

それでも…、銀行は今年するか、数年後になるかはともかく新制度の思想は採用せざるを得ません。

 

銀行だって、今のまま、成り行きで経営していった場合、2025年3月期、10年にも満たない将来に半数以上の地方銀行が本業赤字に転落すると試算されているのです。(金融庁の昨年9月発表による)

 

融資の利ザヤを増やしにくい状態で融資金額が減少していくばかりなら…、当たり前のこと。

 

手数料収益の拡大を図ってはいても、それだけで解決しようがありません。なにしろ、隣の銀行とのダンピング、取り合いも加熱するのですから。

 

経営陣がその気になるタイミングだけの問題でやる・やらないで言うなら、新制度はやらなければ、銀行自身にも未来はありません。しかし、本来の融資機能を取り戻せば、新制度は銀行にとっても、どうしようもなくできないことではありません。

 

次回はそのポイント「新制度の本質、本来の融資機能」に触れていきます。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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