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日本政策金融公庫の経営者保証免除特例制度を利用するメリットについて

中小企業の経営者が事業資金を確保するうえで大きなネックとなるのが保証問題かと思います。通常は経営者が保証を行う形で融資を受けるわけですが、それだと経営者の負担が大きくなり、調達できる資金にも限界が出てきます。

 

事業計画を備えていても事業資金を思うように確保できずに、運転資金の不足で事業が軌道に乗るまで持ちこたえられないといったケースもあるかと思います。そうした中小企業の可能性をつぶしてしまうような事態を防ぐために日本政策金融公庫には、経営者保証免除特例制度というものがありますので、今回ご紹介させていただきます。

 

この制度は名称の通り本来経営者が負うことになる保証が免除されたうえで融資を受けることができるようになる制度で、制度の内容は下記の様になります。

利用対象者について

  • 税務申告を2期以上実施し、かつ、事業資金の融資取引が1年以上あり、直近1年間の返済に延滞がない事
  • 直近2期決算において減価償却前売上高経常利益が連続して赤字でない事
  • 直近の決算において債務超過でない事
  • 法人から代表者への貸付金・仮払金等がない事

特例の内容について

  • 保証人免除(借入にあたり、経営者の保証が免除されます。既に利用している既存の融資についても、保証の免除を受ける事ができます。

 

金利について

  • 保証免除特例制度を利用した場合、0.2%上乗せとなります。
    但し事業承継・集約・活性化支援資金(企業活力強化貸付)及び新事業活動促進資金(事業 承継関連)については、上乗せはありません。

貸付条件について

  • 上記にて記載した事項以外は各制度融資で定められた条件となります。

メリット・デメリット

この制度を利用するメリットは、資金調達をしやすくなるだけでなく、経営者の負担を大幅に軽減できる点にもあるかと思います。つまり事業継承が行われる場合、保証が免除される事で新たな経営者は過度な負担を抱えることなく経営を開始することができ、事業の承継がスムーズに行われるようになるかと思います。

 

この制度は、経営者なら誰でもこの制度を利用できるわけではありません。経営している企業がきちんと事業を行い、かつ安定していることが大前提となります。こうした上記の様な条件を満たすことで経営者の保証が免除されるものです。

 

また、この制度の認定を受けた時点ですでに利用している融資についても保証の免除が行われる事が更なるメリットだと思います。

 

金利上乗せというデメリットもありますが、一度該当される方はご利用を検討されてみてはどうでしょうか?

 

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この記事の著者

  • 山中 肇

    経歴:愛知県第二地方銀行 管理職
    主な実績:
    ・金融機関調整
    CF以上の返済を履行していた先に対し、金融機関の見直しを行い、CF以内の返済額への減額対応し実現。
    ・資金調達
    適正な金額・期間・調達方法のアドバイスを行い資金調達を実施。
    ・リスケ対応
    改善計画書を作成し金融機関に一緒に訪問しリスケ交渉の支援を実施し毎月の返済額の見直しを行い、予実管理まで実施。
    ・サービサー対応
    サービサーとの交渉に同席し、円滑な交渉をサポート。
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