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【銀行動向】新しい融資が形になりはじめた?

再三に渡って、金融庁が主導する銀行(地域金融機関)のこれからの姿と、中小企業評価の新しい仕組みをお伝えしている本メルマガですが、今回はこれらの新制度や概念を踏まえて生まれつつある融資について、ここ数日の日経記事を元にご紹介しようと思います。

 

これから、これからと申し上げてきたものが少しずつ、本当に表面に出てきたことをご確認下さい

ジャパンネット銀行が、中小企業向け融資にAIを活用した新型融資で本格参入へ(2016/10/25日経)

年商5億未満の中小企業をメインターゲットにした融資、これまでの担保・保証人に依存しないための取組みとして、借り手企業の了解の下、預金口座の入出金明細データをAIにより自動的に分析、入金状況やメインバンクとの取引を評価して最速で即日融資判断を行う、というものです。

 

財務情報の分析がどの程度行われるかは不明ですが、通帳の明細を確認する≒キャッシュフロー状態の確認からの評価をAIによって行うという点で、これまでと異なる融資商品と言えます。現時点ではまだスタートはしていないようですが、具体的になった新しい形、ということで注目を集めることでしょう。

磐田信金、クラウドファンディングの仲介を開始(2016/10/25日経)

磐田信金は、インターネットで小口資金を調達するクラウドファンディングのサイトを運営するレディーフォー(株)との業務提携によって、創業間もない企業に対する資金調達や、従来型の融資との組み合わせでの小規模事業者や中小企業との取引拡大を図るとのこと。こちらは先行して世に出た新しい金融商品を、既存の金融機関とのコラボ、といったところでしょうか。

福岡の8信金が中小企業家同友会と覚書調印、経営支援で協力(2016/10/24日経)

こちらの詳細はこれからのようですが、福岡、福岡ひびき、大牟田柳川、筑後、飯塚、田川、大川、遠賀の各信金が同友会との提携で各種支援を行う体制をとろうとしています。

金融庁方針「融資を担保より将来性で」(2016/10/22日経)

21日発表された「金融行政方針」を元に、金融庁はこれまでの担保・保証人に依存した融資形態を「日本型金融」として批判、銀行が目利きの力を高めて将来性ある事業への融資を増やすことを求めるとともに、融資の審査態勢について今後聞き取り調査することを盛り込みました。この金融庁姿勢は金融機関からの反発を生んでいますが菅官房長官が既に支持・評価し、政府としての意向となっています。

 

地域も様々、内容も別々ですが動きの早い金融機関の活動が目に見えるところまで来ています。そこに、さらに金融庁が被せてきている、といったところでしょう。

 

今後とも新しい動きをお伝えしつつ、次回は21日に発表された「金融行政方針」について解説しようと思います。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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