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自ら銀行に逆提案し資金調達を仕掛ける!

新制度のまとめ、中小企業は銀行に逆提案をしよう!

今年の本メルマガは、新たに導入される新制度の内容や背景に触れることが非常に多くなっています。ここで少し落ち着いて、内容を簡単に確認しておこうと思います。

1.中小企業等経営強化法

今年の7月に施行された、この法律が新制度の発端です。金融検査マニュアルによる金融庁から(地域)金融機関への締め付けを撤廃し、企業(と専門家)が作成する経営力向上計画を銀行ではなく、主管となる官庁が承認することで税の優遇や金融支援を受けられる地域金融機関には企業との対話を通じて事業を理解し自らの判断で融資を行うためのモデルともいえる内容です。

2.ローカルベンチマーク

中小企業の財務評価・格付けにあたって政府の提唱する「地域創生」を目指し、金融検査マニュアルで既定されている財務指標から脱却、企業の成長性と生産性に着目した企業評価の方針。6つの財務指標が挙げられており、売上の増加や純資産以外に営業利益への着目(当期利益よりも重要視されている)や、粉飾処理への抑止力をもつ指標が採用されています。

3.事業性評価(に基づく融資)

ローカルベンチマークを前提に、企業のビジネスモデルや成長性を基盤として企業を評価、融資を行うための評価手法です。本件に基づけば、これまでの評価体系では困難だった融資が可能になる(例えば、リスケ中でも融資が受けられる、借入過多であっても増加運転資金ならば短期で受けられるなど)、など、今後の地域金融機関融資の目玉となるべきものです。

4.(金融庁から地域金融機関に求める)ベンチマーク

金融庁が地域金融機関に求めるものが、金融検査マニュアルを守っているかどうかというものから脱却する代わりのものです。

 

  • 自分の商圏地域の、経済と企業に貢献しているかどうか
  • メインバンクとして、企業の再生にどれだけ貢献しているか

 

等々、合計で50項目を超える指標から、いくつかがピックアップされて、地域金融機関の取組みや達成度合いを金融庁が評価する、という仕組みです。

5.金融検査マニュアルの撤廃

上記4点(それ以外もありますが)を前提に、金融検査マニュアルは役割を終えたものとして、今年度既に運用されておらず、来年度には正式に撤廃となる見込みです。

銀行だって分からない、だから生き残る企業は「逆提案をしかけて、銀行に乗っかってもらう!」

これら新しい取組みは、「このままでは少子高齢化の中で、国力が下がっていくばかり」であることに対して、本気で再生しようとする中小企業を救済するための国家政策であり、政府・金融庁が本気であることは弊社の現場での取組みや金融庁・金融機関への直接取材の成果として確信しています。

 

今後は、これらを利用できるかどうかが、中小企業の生き残りをかけた大勝負となりますが、重ね重ね

 

企業が自ら金融機関(や官庁)にプレゼン、逆提案する

 

ことが肝要です。銀行(員)は、この20年間のマル保融資依存の結果、プロパー・無担保の融資の構成力を失ってしまいました。あたらしい制度・既定が次々と生まれても、融資担当者の人数が数割減少しているため、対応しきれません。

 

それを、最近の銀行(員)は…と、不満を並べているだけではもったいないのです。新制度の恩恵は待っていて与えられるものではありません。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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