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経営者の声と銀行員の本音とのギャップを埋めよう

9月29日、日経記事によると、企業がメインバンクに求めるもののトップ3は

 

  • 長年の付き合いによる信頼関係
  • 自社や自社の事業への理解
  • 支店が近い

 

で、それぞれ40%弱~50%以上の回答率を得ていたとのこと。

 

人により、受け止め方は様々ですがどうにも私としては、紋切り型の対応ではない、人間味のある対応を金融機関に求めていることの表れなのではないだろうかと思われてなりません。

 

一方、「金利条件が良いこと」を挙げた回答者は2割に満たなかったとのこと。これだけで解釈すれば、なるほど、銀行はもっと企業を見てくれ(きちんと融資をしてくれ)となるのですが…。

 

やっぱり、ここは逆手にとることで、銀行を味方にするのが強い企業の条件だろうな、と確信しています。

銀行員の本音

金融庁の方針転換で、今金融機関の現場は大変です。中小企業等経営強化法、ローカルベンチマーク、事業性評価(に基づく融資)、金融検査マニュアルの撤廃ベンチマーク制度による金融庁からの新たな検査体系これに経営者保証に関するガイドラインなども含めると、これまでのルールが根底から変わります。

 

これら新制度は、融資の本道に立ち返って、顧客の事業や将来を見つめて支援をするという意味で、新しく生まれたものではなく、王道・原理原則に立ち返るものというべきですが

 

  • 20年もの間、金融検査マニュアルの通りにのみ融資をやってきたので、本来の融資のあり方という考えが失われてしまったところから、再構築をしなくてはならない
  • 融資担当者はバブル経済崩壊以降3割減少したと言われており、一人ひとりにかかる負担が増している
  • マイナス金利政策により、銀行は短期的にも収益が圧迫されておりリスクをとって融資をするには、かなり思い切った決断が要る

 

などの状況が存在し、銀行現場の本音としては、

 

「これまで金融検査マニュアル通りにやれ、やれと言っておいて、今度は自分で考えろ、と丸投げされてもどうしろと」

 

というのが総意です。ありがたくも、やっと少しは融資ができるようになるかな、と考えてくれる銀行員は、どうしても少数派です。

 

正直に告白すると、もし今も自分が銀行員のままだったら…新制度を正しい、と思いながら、実務上触れる余裕をつくれずに悶々としながら仕事をしないでいられる、と言い切ることができません。情けないことですけれど、銀行現場のおかれている環境が苛酷であることは間違いないのです。

 

では、この状況を逆手にとって、誰よりも必要な融資を得られるようになりましょう。

企業がメインバンクに求めるもの、それは待っていても与えられないので材料を企業から提供する

「信頼関係」をメインバンクに求めるなら、取引経緯や現在に至る状況、今後銀行に求めるものを

 

「事業への理解」を求めるなら収益構造や強み、課題や改善活動に将来の構想を

 

「支店への距離」は…、どうしようもないですけれども。

 

口頭では足りないのです、活字で伝えなくてはなりません。活字だからこそ、担当が替わっても残りますし、何度も言い直す必要もありませんし、間違いなく伝えられるのです。

 

銀行が理解することを求めるのではなく、銀行が理解できるだけの説明ができる企業

 

そんな企業が、忙しい銀行業務の中でも理解できる⇒取組みできる、と銀行側から注目され、新たな制度を使う機会を得られます。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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