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廃業を躊躇させるもの

前回は、「M&Aを躊躇する意外な理由とは」というお話しをさせていただきました。本日は、廃業を躊躇させるものについて、お伝えしたいと思います。

 

全国に中小企業数は、400万社あると言われています。急速な外部環境・競争環境の変化、低成長の時代、後継者不在という避けがたいトレンドの中、多くの中小企業様が廃業予備軍であると言われております。実際に実務として中小企業の事業再生に携わっている我々もこのことは、肌で感じています。

 

客観的な様々な視点から廃業しか選択肢がなく、且つ、このことを経営者様自身がご認識されている。

 

或はもっと平たく言うと、廃業できるものであれば廃業したいとお考えの経営者様の多くが、どうして、最後の決断をし、行動に移すことができないのでしょうか?

 

その主な理由は、

 

  • 誰に相談するのがベストなのか分からない
  • 廃業といっても、多くの選択肢があり、どれが自身にとってベストなのか分からない
  • 廃業後の人生(生活)がどうなるのか不安
  • 風評、レピュテーションが不安

 

どれもごもっともな理由だと思います。私自身この仕事ではなく、別の一般事業会社を起業し、その時を迎えたら、多くの経営者様と全く同じように考えると思います。

 

では、どうしたら良いか。この問いに関する答えは、この場で文章でかける正解は残念ながらありません。

 

ただ、この廃業について、お伝えしたいことを以下で申し上げます。

 

まず、廃業は決してネガティブがことではない。成長戦略と対をなす、立派な経営戦略であるということです。

 

そして、経営戦略である以上、廃業といっても可能な限りの廃業の選択肢(パターン)を知った上で、ご自身にとってベストな選択肢をとることです。

 

残念ながら【単に「廃業したい」と】弁護士に相談に行ったとしても、廃業の手続きはしていただけますが、それが経営者様にとってベストな選択肢なのかは、別の問題です。人に言われた成長戦略を鵜呑みにして、選択しませんよね?廃業も経営戦略である以上同じではないでしょうか。

 

廃業について様々な方法があると言いましたが、一般的にあまり知られていない方法の一例として、転廃業型事業承継(*造語であり、法的正式名称ではございません)という方法がございますのでご紹介させていただきます。

 

転廃業型事業承継とは

これは、全ての廃業に適用できる訳ではなく、様々な状況、条件が合致するればとの前提がつきますが、

 

簡単にいうと、単に廃業するということではなく、破産や民事再生などの法的整理を経ず

 

  • 廃業時に、第三者への譲渡売却のできる事業があり、その譲渡代金で、優先債権・一般債権(税金、給与、買掛金など)を完済したのち、余った残余譲渡金を金融機関に可能な限り支払い、残りは債権カット。
  • その上で、可能な限り経営者ご自身の自宅を守り、できる限りの生活資金を法的に確保する。場合によっては、譲渡された元自身の会社で継続勤務することも可能というものです。

 

このスキームは、現在の法制度や国が発信している指針などを様々に駆使して、弊社と大手弁護士事務所とが協調して取り組んでいるものですが、債権者などの同意が必要など、全てのケースに対応できる訳ではない旨、再度申し添えております。

 

以上、今回は、廃業を躊躇させるもの廃業はネガティブなものではなく、経営戦略(様々な選択肢を理解した上で選択する。)転廃業型事業承継についてお伝えいたしました。

この記事の著者

  • 松原 良太

    ・青山学院大学経済学部 卒業
    ・オーストラリアボンド大学 大学院 経営学修士課程(MBA)修了。
    ・財団法人日本M&Aアドバイザー協会 代表理事
    ・株式会社ビザイン 代表取締役パートナー
    ・AMD capital management 株式会社 代表取締役
    ・株式会社ビザイン・ファミリー・アドバイザーズ 取締役
    ・近著(共著):この1冊でわかる M&A実務のプロセスとポイント

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