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改めて、廃業・倒産=負け、なのかを考える

せっかく設立し、頑張ってきた会社をたたむ、ということが気持ちのいい方なんて、そうそういらっしゃるはずがありません。弊社の前身、株式会社フィナンシャル・インスティチュートはそんな企業経営者様の想いに応えるべく、コンサル方針として

 

破産(倒産)は勧めない

 

ことを前提としておりました。この方針にご共感いただいて、ご相談の申込をいただいた件数は私が対応しただけでも1100件以上。会社全体では桁違いに、ご相談の総件数は、一万件を大きく超えてきました。

 

しかし、株式会社エクステンドに社名変更するにあたりこの方針を取り下げています。これまでの取組みが間違っていた、と否定したいのではありません。世の中のフェーズ・段階が変わり、コンサルティングとしての対応も変化したのです。

潮目の変化

10数年前の弊社創業以降、リーマンショックや震災、長引く不況を経て、元々売上を上げても利益が上がりにくかった状態から売上を上げても赤字にしかならないお悩みを抱えた経営者が激増しました。仕事をすればするほど、自動的に利益が(お金が)残るとは、今日なかなか言えません。

 

また、将来を見据えた際に、売上の大幅減が見込まれる一方で経営者が高齢、加えて後継者がいない

 

なのに借金だけはある…

 

体が動くうちはまだいいとしても、いつか動かなくなったらその時には、ただの倒産しかできなくなってしまう。まだ選択肢が残っているうちに、上手に整理する方がその後に残るものが多いのではないか?

 

こうなると、必ずしも無理して会社を続けることが得策とは、言えなくなったのです。

人間と企業の「死」は異なる

会社は、経営者にとって分身と考えられがちですが、それは一つの象徴的な思想で、企業再生の今後にあたっては、違うものです。※以下、宗教・思想・超自然的な意図はございません。

 

人は死んでしまえば、その方自身は居なくなってしまいます。移植できる臓器や機能にも限りがあります。

 

が、会社は亡くなってしまっても、関係各位の了解があり、それだけの価値があるものならば、「脳髄だって、髪の毛一本だって、移植して生き続ける」ことができます。

 

また会社は、社員や事業、商品その他を入れておく箱であり本当に大事なものは箱そのものではなく、中に入っているもののはずです。

残したい、遺したい生きた証はなんだ?

以上を踏まえて、弊社は新たに会社という箱の延命のみに囚われず、新たに思想として「経営者の生きた証を残す(遺す)」ためのコンサルティング、取組みという方針としています。

 

会社を存続させるか、M&Aその他で事業の存続を目指すのか役割を全うしたとして、廃業・整理に向かうのか

 

その全ては手法であり、目的は経営者がその人生で積み上げた価値あるものを、然るべき相手に残す(遺す)ことにあると考えます。

 

社名変更に伴う、弊社方針の変更についてのご質問を多数いただいておりましたので、今回メルマガテーマと関連させて、返答とさせていただきます。何卒、今後ともよろしくお願いいたします。

 

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この記事の著者

  • 今野 洋之

    1998年さくら銀行(現三井住友銀行)入行。6年間で一般的な融資から市場取引、デリバティブ等広範な金融商品を多数取扱う。その後、企業側での財務経理責任者としてM&Aを実施、フリーとしての活動を経て2008年に当社入社。 相談・面談件数は全国で1100件以上、メルマガや雑誌等の記事執筆からメディアからの取材対応も多数。 一般的な金融取引の見直し、借入の無保証化、銀行取引の見直しによるコスト削減を一企業で年間8百万円以上達成。 粉飾開示と同時の返済条件変更依頼、条件変更中の新規融資実行も多数実施し、変則的な条件変更(一部金融機関のみの条件変更)の実行や、事業譲渡による再生資金の調達、事業を整理する企業の上記を全て、法制度・コンプライアンスの抵触なしに履行。

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