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企業のライフステージと債務者区分

企業のライフステージと債務者区分との関係についてお話しさせていただきます。

 

企業にはライフサイクルをたどる過程で、いろいろな経営課題が発生します。順調に成長し続けている企業でも、ライフステージが成熟期から衰退期へ向かう時に経営状態が悪化し、債務者区分がランクダウンするケースもあるかと思います。

1.ライフサイクルによる経営課題の変化について

企業は一般的に、創業期⇒成長期⇒成熟期⇒衰退期といったライフサイクルをたどると思います。
金融機関は取引企業に対する経営支援では、支援先の抱える経営課題の見極めが欠かせなくなっております。

 

また、各ライフステージに応じて、企業の直面する経営課題は日々変わっていきます。監督指針でも企業のライスステージなどの類型に応じたソリューションの提案が例示されているのです。

 

創業、新規事業開拓を目指す企業においては、技術力や販売力などに基づいて新事業の価値を見極めて、製品化、商品化を支援したり、資金需要に対応する事が必要となるのです。

 

成長段階においては、更なる飛躍が見込まれる企業においては、販路開拓、海外進出など新たな事業展開のための情報の提供、助言、事業拡大に伴う設備投資などの資金需要への対応が求められるのです。

2.企業の衰退と債務者区分の低下について

どんなに順調に発展してきた企業でも、成熟期を迎えると、収益力の低下等の問題を抱えるようになり、債務者区分も正常先から要注意先にランクダウンしやすい時期でもあるかと思います。これが衰退期へと進むと、更に業績の悪化が進み、債務者区分も更にランクダウンしていく企業が多くなり、経営改善が必要となるのです。

債務者区分が要注意先の状態にあると考えられる企業

経営改善が必要であり、新たな販路の獲得等の支援、借入条件の変更、新規の資金調達等を折り込んだ経営改善計画書の策定が必要となります。

債務者区分が破綻懸念先の状態にあると考えられる企業

事業再生や業種転換が必要な企業かと思われます。借入条件の変更、DES(債務の株式化)、DDS(既存債務の劣後ローン化)、債務放棄も検討する事が必要になります。

債務者区分が実質破綻先の状態にあると考えられる企業

事業の持続可能性がみこまれなければ、債務整理を前提とした対応が必要となります。

再生する為には、多くの時間、新たな事業展開の経営改善計画書の作成等が必要となります。本来金融機関に求められているものは、このコンサルティング能力なのです。

 

企業のライフステージに常に債務者区分がついて回る事を理解していただけましたでしょうか?

非常に重要な事項であり、私たちも皆様の何かお役に立てればと思っております。

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