経営改善計画の中で新規融資を依頼する
銀行にリスケジュールの依頼をする時は、銀行に対し経営改善計画書を提出しますが、その内容によって、企業の債務者区分が要注意先になるか、破綻懸念先になるか、決まります。
要注意先になれる経営改善計画とは、銀行用語で「実現可能性の高い抜本的な経営改善計画」と呼ばれるもので、その意味は次のとおりです。
「実現可能性の高い」の意味
- 計画の実現に必要な関係者(金融機関等)の同意が得られている
- 当該計画を超える追加支援が必要とは見込まれない
- 計画における売上高、費用、利益の予想等の想定が十分に厳しいものとなっている
「抜本的」の意味
概ね5年後の債務者区分が正常先(目安:純資産がプラスで、債務償還年数が10年以内)となること。計画が概ね計画通り(売上高や当期利益が計画比概ね8割)に進捗している場合、最長10年以内の計画についても同様に扱える。
上記のような要件の経営改善計画を銀行に提出し、その内容に銀行が同意すれば、その企業の債務者区分は要注意先となります。破綻懸念先となってしまえば、そもそもリスケジュール企業が新規融資を受けるのは困難です。
そして経営改善計画は、リスケジュール後、実際の経営の中での計画の運用において、計画と実績とを比較していくことになりますが、数値のかい離が起これば修正して、再度銀行へ提出し、同意を求めていくことになります。
経営改善計画をあらためて作成し銀行に依頼する支援内容の中で、新規融資のことを盛り込むことができます。そこで、メイン銀行のみに新規融資を依頼するか、それぞれの銀行で按分して融資を依頼するか。当然、メイン銀行のみへの依頼の方が、新規融資の交渉を行う銀行の数が少なくなる分、新規融資に同意をしてもらいやすくなります。
このように、経営改善計画書を利用して、新規融資を銀行へ依頼する方法があります。
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