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銀行の本部・支店構造と、融資審査におけるキーマンのおさえ方

銀行には本部と支店があります。私の勤めていた銀行は本部が17階建てのビルで、支店が150ありました。そして支店の中は、次の3つの係に分かれています。預金係、融資係、得意先係です。

 

・預金係とは、窓口で顧客と預金や振込などのやり取りや、中で出納や振込事務などを行う係です。

・融資係とは、支店の中で融資審査を行う係です。

・得意先係とは、外回りであって、要は営業の係です。

 

それぞれの係に係長があり、その上が次長(副支店長)、支店長、という支店内の構造になっています。

銀行の融資審査の流れ

銀行の融資審査は稟議制です。稟議制では、審査の書類が支店内で回覧され、それぞれ可(融資を出す)・否(融資を出さない)の意見を記載し、最後は支店長もしくは本部の審査部で決裁される形です。

 

支店内の他の行員が全て否の意見でも、支店長が可と言ったら審査は通ります。逆も同じです。

 

また、その企業への融資総額や企業の信用状況などによって、支店長では決裁できず審査部にまわる案件もあります。

 

しかし支店長が可で通していれば、多くは審査部でも通ります。審査部には多くの支店の稟議書が回覧されてくるため、1件1件の稟議書を細かく見ることができず、審査において現場に近い支店長の意見が尊重されやすいのです。

 

また、その企業への融資総額や企業の信用状況などによって支店長では決裁できず審査部にまわる案件もありますが、支店長が可で通していれば多くは審査部でも通ります。審査部は多くの支店の稟議書が回覧されてくるため、現場に近い支店長の意見を尊重するからです。

 

なお支店長は、支店を経営し、支店の業績を伸ばすため、多忙です。支店長は融資審査を行うだけではありません。支店が融資している中で重要な企業を訪問したり、本部行員や本部役員が支店にやってきたらその対応をしたり、顧客とゴルフの付き合い、地域の会合へ参加など、支店長は実に多忙です。

 

そのため、支店長は稟議書を細かく見ることができず、融資審査の係である融資係長の意見を尊重するものです。

 

ここから考えると、融資審査のキーマンは、1.支店長、2.融資課長、ということが分かります。

 

支店長と融資課長は、企業から見たら、会う機会が少ない人たちです。

 

支店長と融資課長も、知らない経営者の企業より、知っている経営者、そしてよく説明を受けている企業の融資は通しやすいものです。そのため、あなたの会社自ら、支店長と融資課長に会いにいくとよいでしょう。

 

支店長とは年1回の決算が出た後、その説明(決算説明といいます)の機会を作って会いに行くようにしてください。

 

決算説明は銀行と企業との年1回のイベントとして、ふだん会えない支店長もアポイントはとりやすく、あなたの会社担当の行員にアポイントを頼むとよいでしょう。また融資課長とは3ヶ月に1回、試算表と資金繰り表を持って支店に出向いて会いに行くようにするとよいでしょう。

 

そうやって支店長と融資課長に自分の会社のことを覚えてもらうようにしてください。

 

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融資課長との関係構築のポイント

融資課長との良好な関係を構築するためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

 

まず、積極的なアプローチを心がけましょう。担当者経由でアポイントを取り、決算説明会などの機会を活用して融資課長と接点を持つことが大切です。

 

次に、定期的な訪問を行いましょう。試算表を持参しての支店訪問は効果的です。ただし、五十日や月末など銀行が忙しい時期は避けるのが賢明です。

 

また、自社への招待も検討しましょう。工場や店舗の見学を通じて、融資課長の自社理解を深めることができます。

 

さらに、融資課長は本部承認への影響力も持っています。融資課長の説明力が本部承認を左右することがあるため、自社の状況を的確に伝えることが重要です。

融資課長の積極的姿勢を見逃さない

融資課長が面談に同席したり、声をかけてきたりする場合は、好機と捉えましょう。これは自社に対する関心のサインです。このような機会を活かして、自社の現状や展望を直接説明することが大切です。

まとめ

銀行融資成功の鍵は、融資課長との良好な関係構築にあります。支店長との付き合いも大切ですが、実質的な決定権を持つ融資課長とのコミュニケーションを重視しましょう。積極的なアプローチと誠実な情報提供が、円滑な融資獲得につながります。融資課長を味方につけることで、銀行融資の成功率を高めることができるでしょう。

 

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