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銀行ごとの加重平均金利を見ておく

銀行それぞれで、何本もの融資を受けている場合、それぞれの融資において金利は異なっている場合が多いでしょう。次のケースを考えてみてください。自分の会社はA銀行から3本の融資を受けており、その残高と金利がそれぞれ、次のとおりであったとします。

 

1.3,000万円金利2.2%
2.2,400万円金利1.2%
3.700万円金利1.6%

 

この場合、A銀行は自社に対し、どれだけの金利水準で融資を出してくれているのか分からないことになります。そして他にB銀行、C信用金庫からも融資があった場合、どの銀行が自社に対し、金利を低くしてくれているのかそうでないか、分からないことになります。

 

ちなみにB銀行とC信用金庫の融資はそれぞれ、次のとおりであるとします。

 

B銀行
1.5,000万円金利0.8%
2.2,200万円金利1.5%

 

C信用金庫
1.1.500万円金利2.5%

 

A銀行、B銀行、C信用金庫の金利水準を比較してみるため、加重平均金利という考え方を使います。加重平均金利は、まず年間利息を合計し、次に年間利息を現在の融資残高で割って計算します。

 

では、それぞれの銀行の加重平均金利を計算してみましょう。

 

A銀行
3,000万円×2.2%+2,400万円×1.2%+700万円×1.6%=年間利息106万円
年間利息106万円÷融資残高合計6,100万円=加重平均金利1.74%

 

B銀行
5,000万円×0.8%+2,200万円×1.5%=年間利息73万円
年間利息73万円÷融資残高合計7,200万円=加重平均金利1.01%

 

C信用金庫
融資は1本のみのため、その融資金利2.5%が加重平均金利

 

このように見ると、C信用金庫>A銀行>B銀行の順に金利が高く、金利引下げ交渉を行いたい場合、どの銀行で重点的に交渉するべきかが分かります。

 

なお金利は、次の要素でも影響を受けるものです。

 

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1本ごとの融資実行金額

金額が大きいほど金利は低く、金額が小さいほど金利は高くなる傾向

 

1本ごとの融資審査において、融資審査にかかる経費(人件費等)は金額の大小ほどの違いはないため、金額が小さい融資は相対的に経費が多くかかり、審査コストと合わせ金利を高くする傾向にある。

返済期間

期間が短いほど金利は低く、期間が長いほど金利は高くなる傾向

 

返済期間が長い方が、銀行が負う貸倒れリスクは高くなり、そのリスク分金利を高くする傾向にある。

担保や信用保証協会の保証による保全

担保や信用保証協会保証があるほど金利は低く、ないほど金利は高くなる傾向。

 

万が一企業が返済できなくなっても代わりの返済手段(保全)があるほど銀行の貸倒れリスクは低くなるため、リスクが小さい分、金利を低くする傾向にある。

 

銀行の金利決定において、このような要素も影響しますので、それもふまえた上で、それぞれの銀行の金利水準を見て、金利引下げの交渉をしていきたいものです。

 

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