キャッシュを増やすと考えた場合の6つの資金調達と4つの手法
企業は全ての資金需要(設備資金・納税資金・決算資金・賞与資金等)を売上代金の範囲内でまかなう事ができるとは限りません。このような所要資金を満たすために、内部資金(純利益・減価償却引当分に見合う現金預金)で不足する部分を外部資金にて調達します。
ではこの資金調達の方法には次の二つがあります。
1つは負債(デット)です。
負債とは、返済を伴う資金調達の事で、第三者から借入を増やす方法の事をいいます。
2つめは株主資本(エクイティ)です。
株主資本とは、返済の必要がない資金調達の事で、新株の発行等により実質的な自己資本を増やす方法の事をいいます。
中小零細企業の場合は、負債で資金調達をするのが大半だと思いますので、負債で資金調達をする方法をお話しさせていただきます。
銀行からの借入
プロパー融資、保証協会付融資、ビジネスローン等があります。借入には限度があり、当然審査もあります。必ず限界に達しますので計画的な資金調達を心掛けるべきだと思います。リスケを検討する事も借入れと同じ効果があると思います。
代表者を含む役員からの借入
一番安易な資金調達の方法だと思います。但し個人資産がなければ当然借入もできないのが現状です。また貸した側からすれば、回収できない可能性も非常に高いと思います。
あなたの中には、個人からの借入を行い、個人からの調達ができなくなった時点で、銀行から借入を行なえば良いと考えてみえる方も、見えると思いますが、その順番は逆だと私は思っております。銀行の審査の中に、保証人等の資産があるから融資が出る場合もあるからです。
政府系金融機関からの借入
日本施策金融公庫、商工組合、中央金庫からの借入が該当します。銀行は優良な企業に対しては自分の銀行から借りて欲しいと考えていますが、業績の悪い企業には積極的に政府系金融機関からの借入を勧めます。取引のある銀行が政府系金融機関から借入してはどうですか?と話があった場合は、引いている可能性があると思います。
ノンバンクからの借入
ノンバンクとは、法律で定められた銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫などの金融機関以外で貸金業務を営む金融会社の総称をいいます。
これは、預金の預入や為替(決済)の機能を持たずに貸出を行う形態であり、貸金業法に基づいて設立された各種金融機関の事で、信販会社、クレジットカード会社、消費者金融等があり、銀行に比べて貸出金利が高いのが特徴です。計画的なご利用をおすすめします。
生命保険会社からの借入
生命保険の解約返戻金を担保にお金を借入する方法で、契約者貸付とよばれるものです。通常は解約返戻金の70%から90%の範囲内となっておりますので、生命保険会社、生命保険の種類によって異なりますので事前に確認される事をおすすめします。
補助金
国・地方公共団体・民間団体から支出される原則返済不要な資金。但し申請手続き審査がありますので、誰でも補助金を受けれるとは限りません。事前に支出先に確認する事をおすすめします。
上記6につきましては、負債で資金調達をする方法ではありませんが、資金調達の手段としてお話しさせていただきました。
また『資金調達=お金を借りる』と考えてみえる方がみえるかもわかりませんが、『資金調達=キャッシュを増やす』と考えた場合には、下記の様な手法もありますので、お伝えさせていただきます。
- 支払先との交渉(支払条件の延ばす)
- 売掛金の早期回収
- 不要な資産の売却
- リスケ(実際に借入れを行うのと同じ効果があります)
最後に借入れを行なえば、必ず返済をしなければなりません。ただ借入れをするという安易な考えは捨てて下さい!『必要な金額を必要な期間だけ計画的に』を忘れないでください。今回記載させていただいた資金調達は、企業様によっては該当するものしないものがありますので、自社に合わせた資金調達の方法をご検討下さい。
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