後継者の金融機関対策は大丈夫?
2025年には6割以上の経営者が70歳を超える高齢社会を迎えます。
既に代表者の移行の時期を定め、向かっている企業も多いですが、取引先や社内人事と比べて、金融機関取引に対する承継実務は「事実上ない」といっても過言ではありません。
後継者が挨拶して、連帯保証の判子を押して終わりとなってしまいがちです。
しかし、後継者にとって、金融機関取引を承継することが大きな負担となることが課題となっています。
豊富な経験がカバーする創業者に比べて、後継者は突然「会社の財務」「代表取締役の銀行対応」が求められる
創業者にとっては、創業時より会社が大きくなるに従って必要に応じて融資等を申込・返済交渉を行ってきたことから一般的な対応で苦しむことは少ないものです。
会社の歴史とともに、少しずつ拡大していく金融機関取引と自身の経験が積み重なるバランスがとれるため大きな変動がなければ問題ないのです。
しかし、後継者は違います。
連帯保証人となった瞬間、準備なく「ある程度の大きさの企業代表者として、債権者である金融機関と交渉をしなくてはならない」のです。
先代が「大体やればできる」と伝えたところで、全く経験がないところから、突然大きくステップを飛び越えることになり後継者の悩みの種や、失敗してしまう要因に迄発展します。
- 後継者承継後も、融資取引は大きく続行したい
- 後継者が財務・経理等に不慣れ
- 財務内容が万全ではないが、顧客関係等に価値があって承継を行い、存続していく企業
等の場合、後継者ができるだけ早く、基本的な作法(あえて知識とは申し上げません)を身につけていただくのが必要です。
実際、
- 後継者は簡単に金融機関からお金を借りられると思っていたが、そうではなかった
- 後継者は「借入の返済負担等を資金繰りに考慮できず資金繰りが悪化した」
- 金融機関からの要望に対して可否が判断できず、結果的に受けてはいけない要望まで受けてしまった
- 金融機関からの応えなくてはならない要望に応えられず評価が下落した
といった要因から、弊社でも承継を受けたばかりの後継者からのご相談が増加しています。
対策手法をゼロから確認したい、という方は
金融機関の評価体系の基本、というと
- 決算書を財務評価し、格付けする
- 資金繰りを確認、評価する
- 経営計画、事業計画を評価する
の三点です。
承継等で新たに経営者となった方や、銀行対応を行うようになった方の「これまで何も知らなかったが、ゼロから確認していきたい」というご要望への対応は、弊社側からも求められています。