過去の実績を将来に活かす方法
月次試算表の実績が翌月の中旬頃にでき上がってきたときに、どの
ような見方をされていますでしょうか?
損益面の大きな数値としては、
・売上高はどうだったか?
・粗利額(売上総利益)はどうだったか?
・粗利率(売上総利益率)はどうだったか?
・営業利益はどうだったか?
・経常利益はどうだったか?
の箇所でしょうか?
部門別損益管理されていれば、その部門の各上記項目を確認されている
ことと思います。
また、今月(今月まで)の実績確認をすると同時に、予算設定がされて
いれば達成率の確認、前期のデータがあれば前年同月比との比較もでき
ます。
(実際に、自分(坂)が、顧問先様のデータを見るときにもそうしています)
ただし、損益での前期比較で気を付けないといけないことがあります。
それは、会計処理の基準が前期と今期が同一のものであるか、です。
・税抜処理・税込処理の変更はないか?
(実態把握としては、税抜処理が好ましいと思われます)
・同一取引において、同一の勘定科目で処理されているか?
・現金主義・発生主義の変更はないか?
(実態把握としては、発生処理が好ましいと思われます)
・同一の取引において、同様の会計処理がおこなわれているか?
損益管理するにあたって、前期同月比較をおこなう場合は、これらの
確認をしてから比較検証をおこなうようにしてください。
税理士事務所で月次試算表を作成している場合は、会計処理の方法に
ついて、税理士事務所の担当者に確認してみてください。
自社で自計化(会計処理を社内でおこない、社内で試算表を作成できる
こと)をしている場合は、経理担当者に確認してみてください。
このように過去の実績を活かすためには、正しい実績をつくることが前提
となります。
経営をおこなっていくのであれば、比較検証ができるように、正しい実績
管理をすることに慣れなければなりませんが、もっと簡便な方法の比較方法
があります。
それは「資金繰り表」で管理する方法です。
損益管理は、やり方によって差が出てしまいますが、現金預金(キャッシュ)
の流れでつくる資金繰り表であれば絶対値であり、やり方での差は出ません。
(実際に、自分(坂)も、損益データに確証が持てないときは、現預金データ
を見て判断をしています)
資金繰り管理は、簿記の概念がなくても可能です。
簿記の知識がない経理担当者でも資金繰り表の作成は可能です。
ぜひ御社でも取り入れてみてください。
今回のメルマガが、ご参考になれば幸いです。
執筆:坂将典