資金繰りが詰まった企業における緊急の資金繰り
資金繰りが詰まった、もう持たない・・・この時に、このまま会社の存続をあきらめてしまうのか、それともなんとか踏ん張るのか。あきらめずになんとか踏ん張ろうとする経営者が多いのではないでしょうか。
その場合、まずは緊急の資金繰りを組まなければなりません。そのためには現金の入りを増やすか出を減らすしかありません。
入りは、売上の入金か資金調達かになりますが、すぐに売上を作って入金までしてもらうのはなかなか難しいし、資金調達は、できていたらとっくにしているはずです。
そこから考えると、いかに出を減らすかを中心に考えていくことになります。
出を減らすには、経費削減を行うか支払いを待ってもらうかですが、経費削減を行うとともに、すでに支払いが確定しているものの支払いを止めて先延ばししてもらうか、分割支払いにしてもらうか、しなければなりません。
では、支払いを止める順番をどうするか。
次の順番で止めていきます。
1.金融機関への返済
2.税金・社会保険料
3.諸経費
4.買掛金
5.支払手形
6.給与
まずは金融機関への返済を止めること、いわゆるリスケジュールを行います。
それでも資金繰りがまわらない場合は税金・社会保険料の支払いを止める、それでもまわらない場合は諸経費の支払いを止める・・・という順番で止めていきます。この順番は、その支払いを止めても事業を継続できるかどうか、で考えた順番です。
金融機関への返済を止めても事業は継続できます。税金・社会保険料の支払いを止めても事業は継続できます。金融機関でも、税務署や年金事務所でも、厳しい交渉が待っていることでしょう。しかしそれは、会社の存続のためにはやむをえないことです。
一方、給与を止めるとどうでしょうか。社員からは当然、非難を浴びます。
1ヶ月の給与遅配であればなんとか待ってくれるかもしれません。しかし遅配が、2ヶ月、3ヶ月、となっていくと、社員も自分の生活がありますから、もう待ってはくれないでしょう。
そして社員が少なくなり、会社の存続は難しくなっていきます。
支払手形も同じです。支払いを止めること、つまり手形のジャンプを支払先が応じてくれても、それをジャンプ、ジャンプ、で何回も繰り返してもらうことは難しいでしょう。そして繰り返せば、商品を卸してくれなくなったり、外注で仕事を受けてくれなくなったりします。
そして事業は存続できなくなります。こう考えていくと、支払を止める順番はこのようになるのです。
もう資金が持たない。この場合は緊急の資金繰りを組まなければなりません。緊急の資金繰りは、月次資金繰り表とともに日繰り資金繰り表を用いて、支払いの優先順位を付けていきます。
そして会社の存続をあきらめることなく、まずは緊急の資金繰りを付けるのです。
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