保証付融資とプロパー融資の使い分け
保証付融資とプロパー融資とは、どう使い分けたらよいでしょうか。保証付融資とプロパー融資では、プロパー融資が受けられるなら、保証付融資よりもプロパー融資で受けておいた方がよいです。
なぜなら、次の2つの理由があります。
- 保証付融資には枠があるが、プロパー融資には枠はない。
- 保証付融資よりもプロパー融資の方の審査が厳しい。
保証付融資には枠があるが、プロパー融資には枠はない。
保証付融資には枠があります。無担保だけでしたら8000万円、担保を含めば2億8000万円です。またこれは全ての銀行、合算のものです。一方プロパー融資にはこのような枠はありません。
会社が成長するにつれ、運転資金や設備資金など、多くの融資が必要となってきます。保証付融資のみで融資を受けていたら、この枠が埋まってしまえば、それ以上の融資が受けられなくなります。そのため、会社が成長するにつれ、保証付融資のみの資金調達から卒業し、プロパー融資でも受けられるようにしていぅ必要があります。
保証付融資よりもプロパー融資の方の審査が厳しい。
信用保証協会は、保証協会が保証人となって銀行からの借入を容易にし、企業の育成を金融の側面から支援する、という使命があります。
保証を行うにはその審査が必要ですが、このような使命があるため、銀行のプロパー融資の審査より、保証協会の保証審査の方が通りやすいです。
保証付融資の場合でも銀行は審査を行いますが、銀行の貸倒れリスクは2割のみの負担なので、保証審査が通ったらその銀行の方でも審査を通しやすくなります。
そのため、審査が厳しい方であるプロパー融資で融資が受けられるのならこちらで受けて、保証付融資の枠は後にとっておいた方がよいことになります。
プロパー融資をどう受けられるようにしていくか
では、今まで保証付融資ののみの会社が、どうプロパー融資を受けられるようにしていくか。
まず、銀行にとって出しやすい融資があります。その融資には、つなぎ資金、季節資金、賞与納税資金などがあります。
つなぎ資金
例えば建設業で、外注費や材料費の支払いが先に来て工事代金の回収が後となるなど、一時的に資金が必要な時に、その数ヶ月の資金不足をつなぐ融資。
季節資金
例えば衣服製造業のように、季節ごとに在庫備蓄の時期と、在庫放出の時期の差が大きいなど、資金不足となる数ヶ月をつなぐ融資。
賞与納税資金
賞与や納税は一時期的に大きな支払いとなるが、その支払いのための融資。次の賞与や納税の時期までの短期での返済となる。
このような融資は、銀行にとっては出しやすい融資です。なぜなら、返済期間が短いこと、そして資金の使い道が明確であること、が理由です。
いきなり銀行に、3000万円、返済期間3年の運転資金としてプロパー融資を申し込んでも、審査は厳しいです。そのため、500万円、返済期間6か月の賞与資金のように、銀行が審査を通しやすい融資の申込みを行います。
そして審査が通って、返済を滞りなく行ったら、それがその企業のプロパー融資実績、返済実績となります。
そしてその次には1000万円、返済期間1年の融資を申込むというように、少しずつプロパー融資の形を広げていきます。そうやって、銀行からプロパー融資を受ける道を作っていきます。
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