金融機関の使い分け
中小企業が融資を受けるには、次の3つの金融機関が考えられます。
- 銀行(信用金庫・信用組合も含む)
- 政府系金融機関
- ノンバンク
1.銀行(信用金庫・信用組合も含む)
融資には、プロパー融資、信用保証協会保証付融資、があります。
信用保証協会は各都道府県に1つ以上あり、銀行が行う融資に保証を付けます。保証は融資金額の8割(制度によっては10割)に付けますので、銀行とすれば、保証協会の保証が付いたら融資は出しやすくなります。
また保証協会の保証が付かない融資をプロパー融資と言います。
保証協会には、その保証により中小企業が融資を受けやすくするという役割があります。そのため銀行がプロパー融資で出すより、保証協会の保証審査は緩くなります。
そして保証協会の保証が付くのであれば銀行の融資審査は通りやすくなります。そのため中小企業は創業後、まず保証付融資からはじめるのが普通です。そして企業の信用が付いてきたら、プロパー融資を受けられるようにしていきます。
保証協会には企業に対し保証枠があるので、プロパー融資で受けられるのならなるべく保証協会は使わない方がよいです。そうしておけば企業の業況が悪化してプロパー融資では審査が通りにくくなってきた時、保証協会の保証枠を使いやすくなるのです。
2.政府系金融機関
政府系金融機関には、日本政策金融公庫(日本公庫)と、商工組合中央金庫があります。また日本公庫には3つの事業があり、「国民生活事業」「中小企業事業」「農林水産事業」があります。
特に中小企業にとって、活用する機会の多いのは日本公庫の国民生活事業です。しかしその融資には限度があるため、企業が融資を多く受けられるようにするためには、日本公庫はあくまで民間銀行の補完として考えるとよいでしょう。
3.ノンバンク
ノンバンクは、数百万円までの小口の融資を専門にしたり、売掛債権担保融資や不動産担保融資を専門にしたりするなど、それぞれ特徴があります。
以前でしたらノンバンクの中に商工ローンがあり、商工ローンは取り立てが厳しいイメージがありましたが、利息の過払い請求をきっかけに多くの商工ローンは淘汰され、今ではノンバンク全体のイメージは良くなりつつあります。
しかし金利が民間の銀行に比べて高いのが特徴で、5%~15%あたりの金利となっております。民間の銀行で融資を受けるのならなるべくノンバンクは使わない方がよいです。
しかし民間の銀行から融資が困難な企業で、一時的な立替えなどのつなぎ資金、またリスケジュール企業が再生に向けて現金を潤沢にするための資金など、ここぞという使い方ができます。
以上、それぞれの金融機関の特徴を覚えて、うまく融資を受けられるようにしておきたいものです。
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