限界利益の範囲内に経費を抑える経費の洗出し
私が顧問先企業へ関わらせていただく際に必ず行うのが、経費の洗出しです。シンプルに考えれば限界利益の範囲内に経費を抑えれば利益は出ます。
限界利益-経費=利益
ですね。逆に見れば、使った経費以上に限界利益を生み出せば利益が出るわけです。
利益+経費=限界利益
その経費が適正に支払われているか総勘定元帳を提出していただきますが、最近は会計ソフトを活用されている会社さまが多いこともあり、データ形式でいただき、各勘定科目に分類分けを行い、定期的に発生するもの、突発的なものなど細部にわたって内容をお聞きします。
内容をお聞きする場合は、まず目的を聞いてみます。経費の使用目的がはっきりしてないもの、幹部が答えられないものは、まず削減対象としておいて問題ありません。
削減についてもただ削ればよいというものではなく、経費の種類には投資・消費・浪費とあり、先の投資部分の経費を削ってしまえば、短期的には利益が上がるかもしれませんが、将来的な利益を失ってしまう可能性がある為、使用する経費の分類をきっちり行い、削る部分の大半は消費と浪費部分です。
肝心なのは将来の事業展開の中で必要な経費なのかそうでないのかです。この打合せを目標固定費の範囲内に収まるまで、続けていきます。
そして投資経費部分に関しても、先の事業展開の中で見込みが薄い、または見込めない場合は大胆に減額・削減していきます。
そこまでやって初めて利益が出るようになります。
また経費洗い出しとは言っていますが、総勘定元帳を見ていくのは、損益計算書だけではなく、貸借対照表の項目についても全て見ていき資金移動に関係している項目に関しては損益計算書の科目同様、深く目を通していきます。
貸借対照表の洗出しを行う事で、直接利益には関係してきませんが、ニューマネーを生み出すヒントがつかめたり、キャッシュフローが良くなったりしていきます。
また、この作業は定期的(3ヶ月~6ヶ月)に1回行うことをお勧めします。1年の決算が終わった後では、経営陣が実態をつかむ時間が遅れ対応が後手に回ってしまうかもしれません。
まずは経営者ご自身が、一度も総勘定元帳を見られたことが無ければご自身の意思決定の結果の詳細である総勘定元帳を見られることを、お勧めします。新たな行動を起こせば、必ず新しい発見があるものです。
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執筆:奥田雄二