生産性と付加価値についての基礎と計算式
今回は生産性及び付加価値についてお話しできればと思います。
企業が継続していくためには利益を出さなければならない。その為には生産活動を効率的に遂行する必要が求められる。生産性は収益性・安全性以外の観点から企業運営を判断する。
生産性とは一般的に投入(input)に対する産出(output)の割合としてとらえられる。すなわち、生産要素投入に対して産出量がどれだけかという生産要素の有効利用の度合いを示すものである。
計算式:生産性=産出/投入
例えば1人当たり売上高(売上高/従業員)や1㎡当たり売上高(売上高/総床面積)も生産性の指標になります。生産性と同様に経営を行う上で捉えておかなければならない概念として付加価値というものがある。
付加価値とは漢字の通り企業が新しく生み出し『付け加えた価値』である。企業は、その生産・販売活動をとおして、広く社会に有形無形の財・サービスを提供していくが、こうした企業活動上の成果が付加価値である。付加価値は利益という概念よりは広く、また、売上高よりは狭い、両者の中間的な概念である。
付加価値の計算方法としては控除法と加算法とがあるが、加算法に関しては多くの考え方があり纏まってはいないので控除法をメインに考えてもらえば結構です。
計算式:売上高-外部購入金額
※外部購入金額…企業が外部から購入した財・サービスの金額
流通業でいえば仕入高
製造業でいえば材料費・外注加工費
こうした付加価値は一般的に卸売業などでは少なく、メーカー等の製造業では多い傾向があります。これは卸売業という業態の特性上ものを仕入れて販売するだけになりがちなので付加価値をつけるのが難しい面があるのです。その点、メーカーは自社での技術加工等を行う事で独自性を出し、高い付加価値を生み出すことが可能になるという特徴があります。
このような業種業態間での付加価値の高低はあるものの、同じ基準で生産性を計れる指標があります。それが労働生産性と呼ばれるものです。
計算式:労働生産性=付加価値額/従業員数(平均)
企業経営を行う上でこの労働生産性の向上は、非常に重要ですのでもし算出したことがなければ一度、算出してみてください。あくまでも『平均値』であるということをお忘れなき様にしてください。
執筆:奥田雄二