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金融庁の金融検査について

自己査定により、金融機関は融資の資産価値、つまり返済可能性を見ての価値を査定して金融機関自身の財務状態を把握し、公表(ディスクロージャー)していますが、それは6ヶ月ごとに実施しています。

 

自己査定では、金融庁が金融機関を検査する際の手引書として金融庁が作成した金融検査マニュアルなどをふまえて、各金融機関自身のマニュアルで自己査定しています。

 

ただ、自己査定という名前のとおり、その運用は各金融機関で決めた運用に委ねられていますから、それが客観的に見ても適正なのかどうか見るために、自己査定後、金融機関内で審査・営業部門から独立した監査担当部門による内部監査と、監査法人による外部監査とが行われます。

 

そしてその後、各金融機関に対し、2年に1度ぐらいのペースで、金融庁による検査も行われます。

 

金融機関では、自己査定により融資先企業の経営状態や将来性の評価、融資ごとのその実態把握を行い、それが問題なくできているか、金融庁は検査します。

 

金融庁は金融機関に対し、次ののことができているか、検査します。

 

  • 健全な企業に円滑な資金供給を行っているか
  • 融資先企業の経営実態の把握に努め、経営相談・経営指導等を通じて、積極的に企業・事業再生等に取り組んでいるか。
  • 貸出金の不良債権の実態把握が正確に行われているか。

 

ここでポイントとなるのは、不良債権の実態把握、という部分です。不良債権の実態把握について、そのベースとなるのが、融資先企業の財務・経営状況や、融資の返済の状況ですが、それによって、債務者区分が分かれます。

 

金融機関側からすれば、融資先企業1社1社の債務者区分は、できるだけ良くしたいです。なぜなら、債務者区分が良ければ、その企業への貸倒引当金は少なくて済み、その分、金融機関の財務状況は良くなるからです。

 

しかし金融庁は、検査により、その債務者区分が適正に行われているかを見ようとします。金融庁の検査は、金融機関ごとにだいたい2年に1回あります。

 

検査の対応は、メガバンクや地方銀行の上位行では、本部の債権管理部署が中心になって対応することが多く、地方銀行の下位行や信用金庫、信用組合では、支店が中心になって対応することが多いです。金融機関としては、融資先企業の債務者区分は良くあってほしいのです。

 

金融機関の自己査定がスムーズに行われるよう、例えば金融機関から言われた資料は面倒くさがらずに早く出したりするなど、金融機関への協力を心がけてください。それが、結果として自分の会社の債務者区分の向上につながり、金融機関との関係をうまく保てることになります。

 

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